4630万円はどうなる?
ここのところ話題になっている山口県阿武町の振り込みミス。ある男性の口座に4630万円が間違って振り込まれてしまった。この出来事はそれぞれの立場で考えてみると、なんとも言えない複雑な気持ちになってしまう。
振り込みを担当した職員のショックは計り知れない。具体的にどのような経緯でミスをしたのかわからないけれど、普通に考えて担当者の不注意であることは事実。大金を扱うことに麻痺してたんじゃないかと思う。追い詰めてしまうと自殺しかねないから、職員の心のケアは優先するべき。
一方いきなり大金が振り込まれた男性の行動も、なんとなく理解できるところはある。いきなり4630万円もの大金が振り込まれたら、まともな判断力を失ってしまうだろう。税金であり、かつ間違いなんだから返還するべきというのは正論。そうするべきだけど、その人の立場になってみれば、心が揺らぐ気持ちはわかるような気がする。
役所の返還要求に対して、本人と連絡が取れていないという報道だった。ところが最新の報道によると、この男性の弁護士がそうではないと答えている。すでに警察の事情聴取に2度応じていて、スマートフォンの任意提出にも従っている。
問題の4630万円はどうなったか? この弁護士によると、すでに財産として返還できる状況ではないらしい。つまり使ってしまったということ? その金額の一部に、この弁護士の費用も入っているのかもしれないけれど。
さて、この4630万円はどうなる? 法律的な観点で書かれた記事によると、かなりマズいことになっている。
4630万円振り込みミスの阿武町が全額返還求め提訴も…自治体側の責任が問われる可能性が
このケースが厄介なのは、原因が役所のミスだということ。だから詐欺や横領で罪を問えない。強いて起訴するとすれば、落ちていた財布を拾って届け出ない『遺失物横領』というもの。だけど現状では難しい。
だからこの男性が返還に応じないとすれば、役所としては民事訴訟しかない。そして実際に訴訟を起こしている。先ほどの弁護士も、民事訴訟に応じる考えを示している。でも有罪と決まったからといって、お金が戻ってくるわけじゃないらしい。
リンク先の記事によると、『判決が出ても10年逃げ切れば無効。また、本人が見つかっても預金や不動産を特定できない限り差し押さえも不可能です。刑事事件ではないので、身柄の拘束もできません。もっとも、本人が名乗り出たところで、現金を知人に譲渡していたり、使ってしまえば返還できません』とのこと。
弁護士の話によると、4630万円はすでに財産として返還できる状態ではないらしい。ということは有罪となっても返還できないし、もしかしたら10年間逃げ続けるかもしれない。刑事事件ではないから警察も動けない。う〜ん、これは大変だ。
大金を手にした男性は、すでに仕事を辞めているそう。お金が具体的にどうなったのかはわからないけれど、返す気がないのはたしかだろう。過去に起きた同様の事例によると、返還されない場合は担当者が責任を問われる可能性もあるらしい。
住民にすれば払った税金をドブに捨てたようなものだから、納得いかないだろう。最終的にどうなるかわからないけれど、わだかまりが残りそうな出来事だよねぇ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする