フリーランスはつらいよ
いま話題となっているのが、消費税のインボイス制度。消費税はボクが税理士事務所に在籍していたときに創設された税制で、毎週土曜日になると職員で集まって勉強会をしていたのが懐かしい。免税業者という存在があることで、事務的にはかなり面倒な税金だと思う。
その消費税課税の公平を目指したのがインボイス制度。主旨はいいと思うけれど、もしボクがいまでも税理士事務所にいたら反対するだろうと思う。ざっと制度を見ただけで、事務処理がやたら煩雑になるのは目に見えている。さらにフリーランスや個人自営業の人たちにとっては、死活問題となる可能性が高い。
フリーランスという名前からは自由度の高さを感じる。だけど実際はすべてにおいて責任を持つ必要があって、サラリーマンでいることの気楽さに負けそうになることもあるはず。そんなフリーランスの苦労を描いた映画を観た。
フリーランスといっても普通の職業じゃない。主人公はフリーランスのギャングだった
2022年 映画#80
『夜に生きる』(原題:Live by Night)という2016年のアメリカ映画。ベン・アフレックが監督、脚本、そして主演も務めている。アメリカの禁酒法時代 (1920年から1933年)を舞台としたギャング映画。時代的にはアル・カポネがマフィア界を牛耳っていたころ。
この映画の舞台はボストン。ベン・アフレック演じるジョーは警視正の息子なのに、仲間たちと強盗をくり返していた。当時のボストンはホワイトとペスカトーレという二人のマフィアが争っていた。だけどジョーはどちらの組織に誘われても無視。組織に属することを嫌い、フリーランスのギャングとして大金を稼いでいた。
だけどジョーはホワイトの恋人に惚れてしまう。二人は密かに会っていたが、バレたことで罠にはめられて刑務所に収監される。出所後、彼はホワイトに復讐するため、フリーランスを捨ててペスカトーレの組織に入る。タンパという街で密造酒の販売を展開しつつ、ホワイトを追い詰めていった。
いずれ禁酒法は終わる。その次はカジノ時代だと思ったジョーは、タンパでカジノホテルの建設に取り組む。ところがタンパの警察本部長の娘によって邪魔されてしまう。娘のロレッタを演じているのはエル・ファニングで、彼女の鬼気迫る演技に鳥肌が立つほどだった。
ロレッタは女優になるためにハリウッドへ向かったが、騙されてヘロイン漬けにされていた。それを助けたジョーはその写真を父親の本部長に見せることで脅し、カジノホテルの邪魔になる存在を殺すことに成功する。ところがヘロイン中毒から抜けたロレッタは、神がかりとなって神の言葉を伝え始めた。
ギャンブルが悪だと説く彼女の活動によって、カジノ計画は頓挫、その後、ロレッタは自殺してしまう。怒り狂ったペスカトーレがボストンから乗り込んでくる。ここからのラストシーンは最大のクライマックス。ペスカトーレは宿敵のホワイトを手を組むことで、ジョーを殺してしまうつもりだった。
そのことを察したジョーは、裏をかくことで二人のマフィアのボスを返り討ちにする。この銃撃シーンは壮絶だった。そして二つの組織を引き継いだジョーは、親友にボスの座を譲り、愛する妻と息子との平和な生活を過ごす。でもここで終わらなかった……。
娘のロレッタの死を逆恨みした本部長によって、ジョーの自宅が銃撃される。そして妻が犠牲になってしまった。なんというエンディング。ハッピーエンドの気分に浸っていたので、マジでひっくり返りそうになった。
面白い作品だったけれど、妻をラストで死なせる必然性が理解できない。ということで原作の小説を読むことにした。そうすればその結末が納得できるかも。とにかくベン・アフレックが最高にカッコいい作品だった。
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