世界的な食糧危機の気配
昨今のニュースで話題になっているのが物価上昇。たしかに商品によっては、じわじわと値上がりしている感がある。ここ2年ほどは我が家を代表してボクが買い物に行っているので、常時購入する商品価格をチェックしているから。
先日はアメリカでの物価上昇が正式に数値化され、40年ぶりに記録を更新して8.6パーセントの上昇になったそう。そんな物価上昇の理由として考えられるのは、言うまでもなくロシアによるウクライナ侵攻。いや侵略と言っていいだろう。
プーチンの発言がヒトラーと同じになってきたと言う指摘がある。1939年10月16日に演説したヒトラーの発言をまとめたものを見ると驚く。
・我々は軍事施設しか攻撃していない。
・我々は非戦闘員の避難を提案していたが、ポーランドの司令官がそれを防いだ。
これだけでもプーチンがどれほど危険な人物なのかわかる。そして彼はウクライナの穀物輸送拠点である黒海を封鎖することで、『食糧』を武器にしようとしている。ウクライナにおける現在の流通はどうなっているのか? とてもわかりやすく書かれている記事があった。
NHKによる記事。ウクライナ南部で穀物輸出を営んでいる物流会社にインタビューしたもの。黒海を封鎖されたことで、現在は陸路で隣国のルーマニアの港まで穀物を輸送しているそう。
ところがトラックで運べる量に限界がある。軍事侵攻によって燃料価格も高騰しているので、輸送コストが3倍になっている。さらに避難する従業員が増えているので、人員が5分の1にまで減少しているとのこと。
ウクライナの食糧倉庫には大量の小麦がある。だけど現状では運ぶことができない。小麦はこの6月から7月にかけて収穫のピークを迎える。なのに倉庫が満杯だと、農家は小麦を収穫することができない。ウクライナは世界的な小麦供給国だから、世界の食糧事情に多大な悪影響が出るのは必至と見られている。
経済力のある国なら物価上昇ということで耐えられる。だけど発展途上国だと国民の命に関わってくる。リンク先の記事で紹介されている、イギリス王立国際問題研究所のティム・ベントン調査部長の発言が現状の事態を説明している。
「今回、食料は戦争の武器として、ロシアが自国への経済制裁を軽減しようと圧力をかけるために、全世界に向けて使用された。特定の国への攻撃ではなく、世界的な武器として食料が使われたのは初めてだ」
プーチンは「経済制裁を解除しないと飢え死にするぞ」と脅しているのだろう。世界が協力してこの問題に対処しないと、世界的な食糧危機が発生するかもしれない。プーチンとの我慢比べに持ち込まず、世界各国は穀物の輸出ルート確保に向けていますぐ行動するべきだと思う。国連に期待しても無理だろうしなぁ。
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