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高羽そらさんインタビュー

心の苦痛を癒す時間という薬

ボクの大好きなミュージシャンのひとりであるブラックベアー。コラボの王様と言っていいほど、さまざまなミュージシャンと共演している。それほど彼の音楽に多様性があるからだろう。もちろん彼個人のアルバムもこれまでリリースされていて、近いうちにニューアルバムが出る予定。

 

おそらくそのアルバムに収録されるであろう新曲が発表された。『the idea』というタイトルで、彼らしい軽快なロック。見た目はタトゥーだらけでいかつく、それほど美声じゃない。だけど彼の声を耳にするとなぜだかボクはホッとする。ということで新曲をリンクしておこう。

 

 

さて、心の傷を抱えた主人公が気になっているシリーズがある。彼は心の苦痛を癒すことができるのだろうか?

 

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2022年 読書#65

『ときぐすり』畠中恵 著という小説。麻之助という江戸時代の町名主の後取り息子が主人公のシリーズ。『まんまこと』シリーズとして知られていて、この作品で第4弾になる。今回もこれまでと同じく6つの短編が収録されていて、連続ドラマのような構成になっている。

 

『朝を覚えず』

 

『たからづくし』

 

『きんこんかん』

 

『すこたん』

 

『ともすぎ』

 

『ときぐすり』

 

という6つの短編。

 

前回に麻之助の妻であるお寿ずが娘を死産したのち、体調が戻らず命を落としてしまった。どちらかといえばコメディタッチのドラマだけに、かえって深刻な雰囲気が物語全体に残っている。そんな失意の麻之助がどうしているのか、ずっと気になっていた。

 

妻の死から一年が経過していた。だけどいまだに妻の名前を呼んだりして、周囲の人たちを心配させている。それでも親友の清十郎や吉五郎の助けによって、これまでと変わらず町の揉めごとや難事件を解決している。

 

さらに妻が死の直前に麻之助のことを頼んだおこ乃という女性が、彼の気持ちを和ませている。まだ十代前半の少女だけれど、親戚なので妻のお寿ずに瓜二つ。さらに性格もよく似ていて、麻之助に対する恋心もあるような予感。いずれおこ乃が嫁入り時期になったら、二人には夫婦になって欲しいなぁ。どうなるかわからないけれど。

 

物語の前半は、まだ妻の死を引きずっている感じの麻之助だった。『朝を覚えず』という作品では、不正な睡眠薬を売っている人物を追い詰めるため、自らその薬を飲んで実験台になっている。死者も出ているというのに。どこか捨て鉢な雰囲気で心配になった。麻之助が薬を飲んだのを知ったおこ乃が、心配のあまり怒り狂っていた場面が印象に残っている。

 

ちなみにこの薬の件に関して、同じ著者の『しゃばけシリーズ』に登場している源信という医師が登場する。妖怪の血を引いた主人公である一太郎の主治医。そして一太郎の店である薬種問屋も少しだけ登場している。ファンとしては思わずニンマリする場面。

 

そんな麻之助も、最後の『ときぐすり』という物語のタイトルが暗示しているように、時間という薬によって少しずつ心が癒されていることがわかる。この作品では疫病や火災が起こり、家族を失った人が大勢いた。

 

麻之助はそんな人たちに関わり、心の傷を抱えながらも前向きに生きていく人たちの姿を見る。まさにそれは『ときぐすり』の薬効のような展開。そんな人たちを助けつつ、彼自身も妻の死を受け入れていこうとしていた。さてさて、次回作はどのような展開になっていくのだろう。楽しみだなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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