自殺トリックで不眠になりそう
映画とちがって、テレビドラマには構成上の絶対的必須事項がある。まずはドラマのスタートと同時に物語の世界に釘付けにすること。映画なら冒頭がスロースタートでも観てもらえる。だけどドラマはチャンネルを替えられたら終わり。
そして次回も必ず視聴してもらえるよう、期待をあおり、謎を残した終わり方にすること。とにかくドラマには『離脱』という特権が視聴者にあるので、失敗すると取り返しのつかないことになってしまう。
いま放送しているNHKの連続テレビ小説の『ちむどんどん』がそんな雰囲気。前回の『カムカムエブリバディ』が素晴らしかっただけに、そのギャップで離脱している人が増えているらしい。たしかにかなり杜撰な設定が続き、かつメインの登場人物を応援する気になれない。
ボクはどんな作品でも最後まで観ることで、そこからいい面も悪い面も学ぼうと思っている。それゆえ離脱しないけれど、さすがに閉口する場面や設定が多いのは事実。脇役の登場人物を応援するしかないという現状かも。とにかく後半も離脱せずに観ようと思っている。
さて、そんなドラマの宿命を完璧にこなしている作品がある。ドラマといっても、そのクオリティは封切映画に勝るとも劣らない。今回見た作品のエンディングで、ボクは続きが気になって悶絶している。早く次の作品を見ないと不眠症になってしまいそうwww
2022年 映画#102
『SHERLOCK(シャーロック)』シーズン2・エピソード3『ライヘンバッハ・ヒーロー』という2012年の作品。ついにシーズン2の最後の作品までやってきた。予想したとおり、今回は写真のホームズと宿敵であるモリアーティとの対決になった。
物語の冒頭ではモリアーティが仕掛けてくる。彼はロンドン塔、イングランド銀行、そしてペントンヴィル刑務所を同時に襲う。そしてあえて逮捕される。モリアーティの裁判で参考人として招致されたのがホームズ。でもこれはモリアーティが仕掛けた復讐のワナだった。
モリアーティの目的は、ホームズをペテン師だと世間に思わせること。陪審員を操作して無罪になることで、モリアーティを逮捕できたのは、ホームズがすべて裏で仕組んでいたからという偽の情報を流布させる。モリアーティはホームズに雇われた俳優だったと世間に告白した。
世間だけでなく警察までもホームズに疑いを向け、ついに逮捕令状まで出る。ホームズを信じているのはワトスン、ハドソン夫人、レストレード警部補という人たちだけ。それでもワトスンの助けを借りて逮捕を逃れたホームズはモリアーティを追い詰める。それが先ほどの写真のシーン。
ところが逆に追い詰められたのはホームズだった。モリアーティはホームズにビルの屋上から飛び降りて自殺するように命令する。ペテン師だとバレて、失意のまま身を投げたというシナリオ。もしホームズが死ななければ、彼を信じている3人が殺し屋に射殺される。
それでもホームズは得意の分析によって、モリアーティが生きている限り暗殺命令を解除できることを突き止める。だけどその直後、モリアーティは銃を自分の口に当てて自殺した。ホームズがワトスンたちを助けようと思えば、自分がビルの屋上から飛び降りて死ぬしかない。
そこへ駆けつけてきたワトスン。その彼の目の前でホームズはビルから飛び降り、血まみれで息絶えたホームズをワトスンが確認する。そしてホームズの墓の前に立つワトスンというラストシーンになる。
もちろんホームズは死んでいない。エンドロール直前に、遠くからワトスンを見守るホームズの姿がアップにされて終わる。死んでいないことはわかっている。だってドラマはシーズン4まであるんだから。だけど彼の自殺トリックの謎が解けない。
それが気になって、気になって。一気に観てしまうともったいないので、いまのところ週一回のペースで鑑賞している。だから来週まで待たなくては。それまで眠れない日が続きそうだなぁwww
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