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高羽そらさんインタビュー

不当権力に忖度しない勇気

世の中で起きるすべての出来事を知るのは無理。だから歴史的事実を知る情報源として、小説や映画は貴重なコンテンツだと思う。映画を観て、こんなことがあったんだと知ることが多い。もちろん映画や小説は製作者のバイアスがかかっているので、盲信するのは禁物。それでも社会のある面を知る助けとなる。

 

1971年といえばボクはまだ小学校3年生。そのとき、アメリカですごい出来事があった。

 

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2022年 映画#104

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(原題:The Post)という2017年のアメリカ映画。1971年といえば、アメリカはベトナム戦争の真っ最中。1975年に戦争が終結しているけれど、この時期はアメリカで反戦運動が大きなうねりを持ち始めた時期。この映画は、その反戦運動のきっかけとなった実話を映画化した作品。メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演している。

 

メリル・ストリープが演じるのはキャサリン・グラハムというワシントン・ポストの社主。社主だったキャサリンの父は、死に際して実の娘であるキャサリンの夫に会社を託した。だけどその夫も亡くなり、キャサリンがワシントン・ポストの社主となる。

 

トム・ハンクス演じるのはベン・ブラッドリーというワシントン・ポストの編集主幹。この人物はウォーターゲート事件を描いた他の映画でも登場しているので、この時代に活躍したジャーナリストなんだろう。

 

ワシントン・ポストは経営危機に瀕していて、家族経営を諦めて株式公開することになった。そんな時期、ライバルのニューヨーク・タイムスがスクープ記事を掲載した。国防総省の機密文書が外部に漏れた。そこにはベトナム戦争の実態が記されていた。

 

過去の大統領や閣僚たちは、アメリカが負ける可能性があるのに国民に嘘をついた。そして戦争を継続することで、若い命を戦場に送り込んでいた。この最高機密文書の一部が公表されると、当時のニクソン大統領はすぐに行動した。ニューヨーク・タイムスに圧力をかけて、スパイ罪として告訴することを通告する。

 

腰が引けたニューヨーク・タイムスはその後の記事をあきらめた。ところがワシントン・ポストにもその極秘文章が届けられた。事実を国民に伝えたい人物たちがワシントン・ポストに期待をかけたから。ここからが映画の見どころ。

 

ベンは機密文書の記載を主張する。これ以上若者を無駄に死なせるわけにいかないから。ジャーナリストとしての使命を果たすべきだとキャサリンに詰め寄る。一方経営陣たちは大反対。せっかく株式公開したのに、この行動によって出資者が手を引くから。

 

新聞記載の締め切り時間が迫るなか、双方の攻防がこの映画に素晴らしい緊張感をもたらす。最悪の場合、キャサリンやベンは投獄されると弁護士たちは口を揃えて反対する。だけど最終的にキャサリンは記事の掲載を許可する。このときのメリル・ストリープが最高にカッコよかった。

 

記事が掲載されたニクソン大統領は怒り狂う。だけど世論は黙っていなかった。ワシントン・ポストに続いて他の新聞もその記事を掲載した。そして連邦最高裁判所でも、ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムスに無罪の判決が出る。そしてアメリカ全土で反戦ムードが高まっていった。

 

そのきっかけを作ったのが、ギリギリで決断したキャサリンの勇気。不当権力に屈しないその覚悟に、心から感動の拍手を送った。とにかく主演二人の演技が素晴らし過ぎて、最初から最後まで目を離せない作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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