黙視できない、という熱い想い
現代社会においては、誰もが自分の意見を発信することができる。身近なアイテムとしては、ブログやTwitterのようなSNSだろう。ボクのように小説を書く人がいれば、漫画や絵画によって想いを伝えている人もいる。そしてよりストレートに伝えられているのが音楽。
女性の妊娠人工中絶に関して、先月にアメリカの連邦最高裁がある判断を下した。人工中絶はアメリカ連邦における権利として認められないというもの。これを受けて、各州が人工中絶を禁止したり制限するという事態になった。レイプによる妊娠でも中絶は認めない事になる。
当然ながら大勢のアメリカ人が怒りの声をあげている。そんな女性の一人として、ミュージシャンのP!NKが新曲をリリースした。『Irrelevant』というタイトルで、言葉の意味は『無関係』。連邦最高裁の判決に我慢できず、彼女が久しぶりの新曲で想いを伝えることになった。昨日になってミュージックビデオが公開されたのでリンクしておこう。熱い想いが伝わってくる内容だった。
さて、そんな熱い思いは、時代によって伝え方がちがう。日本の幕末において、『剣』に自分の熱い想いを託した人物を描いた映画を観た。
2022年 映画#105
『燃えよ剣』という2021年の日本映画。司馬遼太郎さんの原作小説を映画化した作品。新撰組の土方歳三の後半生を追いかけた内容となっている。過去にも映画化されているようで、ドラマもいくつか作られているらしい。
以前から気になっていた作品で、必ず観ようと思っていた。実はいま書いている新作小説に関連してくるので。そして個人的な興味として、最近のボクは幕末の幕臣や新撰組に興味を持っている。以前は薩長派に肩入れしていたけれど、彼らの陰謀的な体質に少し飽きていた。
さらに『晴天を衝け』という大河ドラマで渋沢栄一の視点から幕末を見たとき、幕臣たちに何かと感じるものが多かった。ということでこの映画を観ようと思ったけれど、どうも評判が悪い。他人の評価はあまり気にしないけれど、あまりにも酷評されていたので気になっていた。
観終わって感じたのは、なぜあれほど酷評されるのか分からないということ。ボクはよくできた作品だと感じた。2時間半ほどの尺なので、戊辰戦争がちょっと中途半端だった印象はある。だけど新撰組の結成から、池田屋騒動での活躍に至るまでの様子は緊張感があって面白かった。
史実にもかなり意識が向けられていて、孝明天皇の暗殺説なども出て面白かった。お雪というヒロインの女性に、坂本龍馬を殺したのは新撰組なのかと聞かれて、明確に否定している土方が気持ちよかった。殺陣も迫力があったし、土方を演じた岡田准一さんはハマり役だった思う。だって土方は二枚目でないとだめだからねwww
実はボクは司馬遼太郎さんの原作を読んでいない。『竜馬が行く』は何度も読んでいるのにね。だからもしかしたら、原作のファンが不満を覚えているのかもしれないなぁ。となったらボクも原作を読んでみよう。幕末を新撰組の視点で見直すいい機会だと思うから。とにかくボクはいい映画だと思った。
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