メタバースと体外離脱
今朝はいつもより早めに家を出て、歯科の定期検診を受けた。以前からの懸案事項があって、次回の検診までに治療するかどうかを考えておくことになった。とにかく今日は歯石等を取り除いてもらい、歯がツルツルになってスッキリした。
そして今日、初めてマイナンバーカードを健康保険証として使ってみた。ボクの場合、医療機関に行くのはほぼ歯科医だけ。だからこのチャンスを逃すわけにはいかない。前回は読み取り装置が設置されていなかったけれど、今日はカウンターに置いてあった。
慣れないので少し手間取った。カードが読み取られると、暗証番号か顔認証の選択画面が出る。マスクをしているので、今日は暗証番号で本人確認を受けた。物理的カードが必要だという意味では、健康保険証と同じこと。だけどせっかくなので、使えるものは体験したいからね。
いずれマイナンバーカードもスマートフォンとの紐付けができるはず。そうなればかなり便利になる。いまだに陰謀論を掲げてマイナンバーカードをディスっている人もいるけれど、そんなことをしているうちに世界標準の技術から取り残されてしまうよ。
個人情報なんて世界中を駆け巡っているのが現状だから、もう少し頭を柔軟にして新しい世界を体験するべきだと思う。ゼロリスクなんであり得ないんだから、客観的な視点でメリットとデメリットを検証すればいいのにと思ってしまう。陰謀論者はデメリットしか見ないからなぁ。
いまや最新の技術は、現実世界とはちがう領域に目が向けられている。そんな技術に関するわかりやすい本を読んだ。
2022年 読書#69
『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』岡嶋裕史 著という本。
今日のニュースでメタバースという言葉が登場したので、目にした人は多いだろうと思う。東京大学は今年の後期から「メタバース工学部」というのを展開するという記事。といっても正式な学部ではなく 中高生や保護者、学内外の学生、社会人らを対象に提供する各種プログラムの総称らしい。
さて、「メタバース」とはなんぞや?
そう思った人は、いよいよ最新技術から遅れ始めていることを自覚したほうがいいかも。Facebookがなぜ社名をメタに変えたのか? それはこのメタバースを視野に入れているから。つまりこれらかは、メタバースという世界が注目されていくのは間違いないだろう。
といっても、ボクだってその内容を詳細に知っているわけでも体験したわけでもない。ただどのようなものなのかを知っている程度。いまの段階ではその程度で十分だと思う。なぜならまだ世界中の企業が模索している段階だから。
メタバースというのはVR(ヴァーチャルリアリティ)を応用した、現実とはちがう世界での体験を指す。それは単なるVR体験というだけでなく、そこから実際に収入を得たり、自己実現を達成するための新しい舞台となっていく。
例えば男性が、女性としての体験で何かを成し遂げていくことも可能になる。あるいは身体に障害がある人でも、健常者と同等に能力を競い合うことができたりする。まだまだ未知の可能性をはらんでいるけれど、興味のある人はこの本を読むと現状をおおよそ理解できるはず。
ボクがこの本を読んで感じたのは、メタバースと体外離脱がよく似ているということ。現実とはちがうけれど、リアルにその世界で別の自分を体験することができる。そしてそのメリットも同じだと思った。
忘れていけないのは、人間は現実世界に生きている『動物』だということ。その世界で生きることが宿命づけられている。だから体外離脱は、現実世界での人生をより豊にするためのものであるべき。それはメタバースも同じだと思う。
つまり現実逃避の世界ではダメだということ。別世界で体験をすることで、現実世界にフィードバックできるものでないと意味がない。古臭い考えかもしれないけれど、ボクはそう感じた。一時退避の場としての利用はあっても、現実から完全に離脱するための世界ではない。そのことを自覚することは大切だと思う。
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