ウクライナを支える影の存在
いっこうに終わりが見えないウクライナ紛争。つまり戦争を仕掛けたロシアは、ウクライナの強さを見誤ったということだろう。アメリカの諜報部やイギリスのMI6等の情報によると、ロシア政府がかなり追い詰められているという報道も見かける。プーチン政権が危ういという見方が出ているらしい。
プーチン以外のロシア政府要人が、強気の発言を繰り返すようになったというのがその理由。その状況が表しているのは、プーチンの絶対的な権力が弱体化しつつある証明らしい。つまり閣僚が好きに発言することをプーチンが統制できなくなっていると見られている。
現代の戦争というのは、ミサイル等の兵器だけで勝敗を語れなくなった。第二次世界大戦のころは、一般人が情報を入手するのは新聞やラジオ程度。だから政府は民衆の世論をコントロールしやすい。
だけどネット社会の現代は、専門家の知識と技術がないと世論の規制は難しい。敵の情報を入手する、あるいはサイバーテロを仕掛けるというサイバー戦が、現代の戦争ではミサイルと同じような攻撃効果を有している。そんな情報戦に関して、ロシアを出し抜いていると言われるウクライナ。
その背後では、やはり専門家たちが活躍していた。
その専門家は政府組織ではなく企業だった。アメリカのボストンに本社をおいている企業だけれど、CEOを含めてイスラエルの人たちで構成されている。リンク先の記事によると、『創業者のリオ・ディブCEOは、「8200部隊」と呼ばれるイスラエル国防軍のサイバー部隊の司令官として諜報活動や攻撃作戦のオペレーションを担った経験があります』とのこと。
世界の50カ国以上に顧客がいるという企業で、サイバー攻撃等から顧客の財産を守ったり安全確保を請け負っている。この企業は2017年からウクライナにチームを派遣していたらしい。ロシア軍によるサイバー攻撃が起きたから。でもこの企業によって被害が最小にとどまった。そして現在でもウクライナ政府のサポートをしている。
この記事で興味深かったのは、今年の2月24日のロシア侵攻をこの企業が予測していたということ。だからウクライナはある程度の準備ができたらしい。
その発端は今年の1月15日のこと。アメリカにサイバー攻撃をしていたとされるハッカー集団を、ロシア政府が一斉に拘束した。見た目は国際社会の要請を受けて善処したように見える。
ところが本当の狙いは、そうした優秀なハッカーをロシア政府に抱えることだったらしい。この企業のCEOはこう述べている。
「今回の逮捕で起きたことは、彼ら(ハッカーたち)が国家によりコントロールされるようになったということです。これまで、ハッカー集団は、国家が黙認する集団として存続していました。しかし、この時はハッカーたちがこのあと実際に起きるウクライナ戦争を推進するために直接的に採用されたのだと考えています。ロシア政府はウクライナへの侵攻に関して、自分たちの目標を達成するためにこれらのグループをコントロールし、利用するようになったとみるべきです」
日本はこうしたサイバー攻撃に対する対応をしているのだろうか? CEOによると、中国による日本企業や政府へのハッキングが頻繁に起きているらしい。戦争というのは兵力だけでなく、こうした情報戦によって勝敗が影響される。日本の情報が垂れ流しになっていないことを願うばかり。
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