高齢者御用達となったテレビ
少年だった50年ほど前、ボクは絵に描いたようなテレビっ子だった。毎週見ている番組の放送時間は完璧に記憶していて、新聞のテレビ欄で随時情報をアップデートすることで脳内テレビ番組表が完成されていた。
夕方にお気に入りのアニメや怪獣ものが再放送される日は、友人との遊びを途中で切り上げてでも自宅に戻ってきた。録画もネットもない時代だから、リアルタイムにテレビの前に座るしかない。そんな子供だったから、いまだに当時の番組の主題歌を歌えたりする。
ところがここ数年、テレビを見る時間が大幅に減った。大河ドラマ等の連続ものや、いくつかのお気に入りの番組を録画してみるのがほとんど。必ずリアルタイムで見るのは夕方の天気予報だけ。テレビはほぼ録画再生機となり、ネットに接続している時間の方が圧倒的に長い。
その理由は明らか。テレビ番組が面白くないから。バラエティ番組はくだらない内容の繰り返しだし、ワイドショーに至っては不安や恐怖を煽る、あるいは放送局の意向に沿った偏向報道的な内容ばかりで、百害あって一利なしとしか思えない。
海外でもそうした傾向が強いようで、とても興味深いアンケート結果が出ている。
TikTokがテレビに取って代わり、10代の95%がYouTubeを見ていることが判明
リンク先の記事では、イギリスとアメリカの統計が紹介されている。その結果を抜き出してみよう。まずはイギリス。
『15歳〜24歳の若者は1日あたり平均57分TikTokを視聴しており、16歳〜24歳の若者が1日にテレビを視聴する平均時間53分よりも長いそうです。 公共放送を見る人はさらに少なくなっており、BBC、ITV、Channel 4などの番組を15分以上見るという16歳〜24歳の若者は半数未満となっています。 65歳以上ではこの数字は反転しており、1日あたりにテレビに費やす時間はほぼ6時間に達しているとのことです』
次はアメリカ。
『米国の10代の95%がYouTubeを視聴しており、67%がTikTokを利用していることが判明しています。13歳〜17歳の若者に人気のあるその他のアプリは、Instagram(62%)、Snapchat(59%)となっています。 FacebookとTwitterは10代の若者離れがますます進んでおり、2015年と今年を比べると、Facebookは71%から32%、Twitterは33%から23%へと利用者数が減少しています』
おそらく日本でも同じような結果が出ると思う。統一教会がどうのこうのと騒いでいる人のほとんどは、いつもテレビにかじりついている高齢者たちだろう。特定の内容について世論調査をすると、テレビの影響を受けている思われる世代は圧倒的に高齢者が多い。
つまり日本でも海外でも、テレビは高齢者御用達となりつつあるということだろう。そうなるとテレビ放送に未来はない。若い世代に支持されていないのだから、ジリ貧になるのは目に見えている。
パネラーやコメンテーターが好き放題に話しているワイドショーより、TikTokの動画を見ているほうがはるかに有意義な時間を過ごせる。ボクだってTikTokなら1時間くらいでも平気で見ていられる。中毒性があるのはたしかだけれど、偏向報道のテレビに洗脳されるよりよっぽどマシ。
テレビというメディアが消えることはないだろう。だけど以前のままの方針で番組編成をしていると、いつか淘汰されてしまうと思う。ネット世代が高齢者になったら、総スカンを食らうことになるよ。
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