ポイントは幽霊が見える条件
どうにか怒涛の一週間が無事に終わった。今週のメインは高校生時代に治療した歯の尻拭い。3年ほど前にいま通っている歯科医院で処置してもらっていたけれど、とうとう限界が来てしまった。これ以上放置すると他の歯だけでなく、健康状態にも影響が出るとのことで抜歯を決断。
無事に抜歯が完了して、あまり気にせず食事ができるようになった。歯茎が安定するまで一ヶ月半ほどかかるので、最終的な処置は10月の中旬以降。それまでこの機会なので、気になるところを徹底して治療してもらうことになった。しばらくは定期期に通院することになりそう。
とりあえずはホッとしたことで、新作小説を書きつつも気分転換できる映画を観た。こんなときは喜劇がいい。そこで選んだのは久しぶりに鑑賞する作品。
2022年 映画#134
『ステキな金縛り』という2011年の日本映画。説明するまでもなく、三谷幸喜さん監督・脚本の有名な作品。三谷さんの作品はいくつも観ているけれど、この映画はボクのお気に入り。初めて観たときのインパクトは薄れているけれど、やはり何度も笑い、そして何度も泣かされる。
この映画の全編を通して絶賛するべきは、主演の深津絵里さんの素晴らしい演技。彼女が出演する作品なら、絶対に間違いないと断言できるほど日本を代表する俳優さんだと思う。『カムカムエブリバディ』は最高の連続ドラマだったけれど、彼女が出演していたからこそだと思う。
そして幽霊役の西田敏行さん、検事役の中井貴一さんの演技も凄すぎる。じっくり観察していると、物語の展開を完璧に把握したうえで演技されているのが伝わってくる。もちろん三谷幸喜さんお気に入りの俳優さんも多数出演されていて、『鎌倉殿の13人』がつい頭に浮かんでしまった。
物語というのは人間が描かれる。この作品のポイントとなるのは、幽霊が見えるという条件。
・ここのところ人生に行き詰まっている。
・近い人の死等、最近に死を感じる出来事があった。
・シナモンが大好き。
最後のシナモンはおまけだとして、最初の二つの条件はとても興味深い。その条件だけでドラマを感じることができるし、当てはまる登場人物が完璧に配置されている。そしてこの条件に当てはまらない人は、幽霊が見えずに戸惑うという物語全体をを支える重要な役割を担っていた。本当にすごい脚本だと思う。
ただ気になったのは、たった11年前の作品なのに世間の動きを感じたこと。主人公の同居人で、やがて結婚することになる男性を演じたTKOの木下さんは、トラブルによって芸能界から消えておられる。
さらに一人二役で真犯人を演じた竹内結子さんは、故人となってしまわれた。喜劇作品を観ながらも、いろいろと時間の経過を感じてしまう配役だった。とにかくもし一度も観たことがないなら、もったいないと言い切れるほど面白い作品。久しぶりに楽しい時間を過ごせた。
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