マジで笑い死にするかと思った
俳優にとって代表作の存在は素敵なこと。だけどその作品があまりにもヒットし過ぎると、その役のイメージにつきまとわれてしまう。ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドの呪縛から逃れるのに、死ぬほど苦労したと述べている記事を見たことがある。
時代はちがうけれど、『ハリーボッター』という大ヒット作で、子役のころから代表作を演じてしまったダニエル・ラドクリフ。シリーズが終わってから彼のキャリアを心配していた。しばらくイマイチの雰囲気を感じていたから。
だけど少し前、2020年に公開された『プリズン・エスケープ脱失への10の鍵』という映画で主演している彼の演技を観た。南アフリカが舞台で、アパルトヘイト反対を訴えたことで刑務所に収監。そこからある方法を使って脱走したという実話を元にした作品。
その映画の彼の演技に感動して、俳優としてハリーという存在から脱皮しているのを感じた。ということで同じ時期の作品を観ることにした。
2022年 映画#140
『ガンズ・アキンボ』(原題:Guns Akimbo)という2019年のイギリス・ニュージーランドの合作映画。コミカルバイオレンスアクションとのことで、ダニエル・ラドクリフのアクションがどのような作品になるのか興味津々だった。
R15指定なので、エグい作品が苦手な人には無理かも。子供もやめたほうがいい。そしてかなり変わった作品で、かつ編集が特徴的。だから合わない人は絶対にダメな作品だと思う。タランティーノの匂いがする映画かな。
だけどボクはめちゃめちゃハマった。冒頭から笑いが止まらなくて、本気で笑い死にするかと思ったほど爆笑した。笑いつつもアクションシーンが半端ない。キアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』シリーズが好きな人なら、絶対に楽しめる作品だと思う。
主人公のマイルズはゲームソフトを作る仕事をしている。だけどやる気がないし、恋人ともうまくいかないし、気が弱くてイジメをする会社の上司にも逆らえない。気分転換は自宅でネットを見ているだけ。
そんなネットでは、恐ろしいサイトが流行っていた。スキズムという違法なサイトで、ネットでの殺し合いを生中継する。完全にイカれたサイコが集まり、殺し合いをするのを中継するサイトだった。そのサイトで絶対的な強さで相手を殺し続けていたのがニックスという殺し屋の女性。もはや敵なしの状態だった。
スキズムを見ていたマイルズは、そのサイトの掲示板に挑発的な悪口を書いた。それしか鬱憤ばらしができないから。ところがサイトの運営者であるリクターの逆鱗に触れた。サイコ連中がマイルズの自宅に押しかけて、彼の両手に銃をネジで固定して外れないようにしてしまった。それが写真の状態。
もうこの時点で大笑い。だってトイレでおしっこをしようと思っても、両手には銃が固定されている。うっかりすると自分の股間に穴が空いてしまう。ズボンでさえ履くことができず、パンツのままで両手に銃をぶら下げて外に出た。『シザーハンズ』の銃版という状態。
銃を外して欲しければ、ニックスと対戦して彼女を殺さなければいけない。でもただのオタクのマイルズはひたすら逃げまくる。ここでも大爆笑。それでも奇跡のように戦いが継続して、少しずつファンがついてくる。どうにかして戦いを避けようとするマイルズに対して、リクターは彼の元恋人を誘拐した。
元恋人を殺されたくなければ、ニックスを殺せというのが命令だった。ということで恋人のためニックスに立ち向かう。ところがニックスも訳ありで、やがて彼女の家族を殺した犯人がリクターだと知る。ということで敵だったマイルズと最強の女殺し屋であるニックスが、手を組むという展開。
比較的新しい映画なので、結末を知りたい人は映画をどうぞ。とにかくこの映画を観て、ダニエル・ラドクリフの俳優としての未来が明るいことを実感した。おそらく年齢を重ねるごとに、素晴らしい役者になっていくと思う。
そして注目するべきは、ニックスを演じたサマラ・ウィーヴィングという女優さん。ボクはこの作品で彼女の大ファンになってしまった。名前に聞き覚えがある人は多いはず。彼女の叔父はヒューゴ・ウィーヴィング。『マトリックス』ではエージェントスミスを演じ、『ロード・オブ・ザ・リング』ではエルフのエルロンドを演じた個性派俳優。
そういえばどことなく似ている。かなりエグいけれど、最後まで爆笑しながら楽しめるアクション作品だった。
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