コックリさんの真実
ボクが小学生だった昭和40年代は、いまでは考えられない大きな心霊ブームがあった。宜保愛子さんを筆頭に霊能者たちがテレビのゴールデンタイムに出演して、霊視や心霊写真の鑑定を行っていた。そしてその当時子供たちに流行ったのがコックリさん。
女生徒を中心に盛り上がっていて、恋占いような軽い感覚でやっている人が多かったように思う。ただテレビや雑誌で言われたのは、冗談半分でやると動物霊に取り憑かれるという警告。それがかえって好奇心を刺激していた。
そんな日本のコックリさんの大元は、アメリカのウィジャボードなのは明らか。いまでも映画でウィジャボードの場面を見かけることがある。これらに関して言われてきたのは、誰か一人の首謀者によって解答が誘導されているというもの。
意図的に指を動かすことで、本当に霊と交信しているように装っているという解説。ところがそうした要素を排除しても、参加者の意思に関係なく指が動く現象が起きた。コックリさんは事実なのか?
「コックリさん」を科学の力で解明! 勝手に動くコインや集団パニックの原因とは?
そんなコックリさんの現象については科学的に解明されている。リンク先の記事はそれらを紹介したもので、なかなか面白かった。勝手に指やコインが動く理由として3つの要因があげられている。
1つ目は観念運動効果という人間の無意識の動き。例えば若い人に老人言葉を使って作文をしてもらうと、被験者たちの歩行速度が明らかに落ちるという現象が起きるそう。老人言葉をイメージするだけで、本人の自覚がなくても筋肉が反応してしまう。
つまり参加者の観念によって、無意識下で指が動くように作用してしまう。この現象の証明もされている。参加者たちが知識として持っていない質問をすると、絶対に正解が出てこないらしい。参加者の知らないことを、コックリさんは答えてくれないということwww
2つ目の要因は、行動に関する主体性の欠如。通常の場合、人間は自分の行動に対して主体性を意識している。こうしてキーボードを打っているとき、文章を考えつつも自分がキーボードを動かしていることを意識している。
だけどコックリさんを信じている人は、そうした自分の行動に関する主体性が減少してしまうそう。だから無意識で動いた現象に対して、自分たちが動かしているとは思えない。
そして3つ目は感情の伝染。恐怖というのは伝染する。これは動物の本能に刻まれていて、危険回避をするために仲間内で恐怖を共有するという心理的現象が起きる。いわゆる集団パニックのような状態で、コックリさんに参加している人たちは恐怖に取り憑かれているそう。
これら3つの現象を証明する実験も実施された。名古屋大学がコックリさんに参加している人たちの脳波をチェックすると、参加者の脳波は完全に同期していたとのこと。オンラインゲームをするために離れた場所でゲームに参加している人たちも、脳波が同期することは知られている。
これと同じく、コックリさんをしている人たちは脳波が同期していた。それゆえ同じ精神状態になりやすいとのこと。だから参加者の一人が意図的な行動をしなくても、指が勝手に動くと感じる現象が起きる。これがコックリさんの真実なのだろう。
霊に取り憑かれたようになって精神のバランスを崩す人は、恐怖の伝染等によってパニック状態になっているのだろう。実際に霊が取り憑いているわけではない。まぁネット社会の現代において、コックリさんのようなアナログ遊びは流行らないだろうなぁ。
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