京都のタクシーが酷評される理由
一週間前にミューナを獣医さんに連れて行った帰りのこと。アプリでタクシーを呼んだけれど、かなりハズレの運転手さんだった。獣医さんは神戸市東灘区で、我が家は灘区。つまり帰り道は西方向になる。
ところがその運転手さんは、まだ中年なのにナビが苦手らしい。指定された行き先を適当に見て、まったく正反対の芦屋市方面へ疾走した。ミューナを連れているので1分でも早く帰りたい。なのに東へ向かう運転手さんを方向転換させるのに、無駄な時間とタクシー代を費やしてしまった。
そのうえ勝手に喋りまくるだけでなく、運転が超荒い。前方に車がないと不安なの? と思うほど全速力で車間距離を詰める。信号が黄色になればアクセルをふかして突っ込むし、車線変更も無茶苦茶。自宅に戻るまで事故を起こさないように祈るしかない緊張感だった。
数は少ないけれど、たまにこのような運転手さんに遭遇してしまうことがある。圧倒的に普通に走ってくれる運転手さんが多いなか、一定数は文句を言いたくなる運転手さんがいるのは事実。おそらくこれは全国的なものだろう。だけどなぜだか京都のタクシー運転手さんの評判が悪いらしい。
京都のタクシーは酷すぎる?SNSで被害訴える声が続々「近距離乗車でキレられた」「小銭ないと怒られる」
京都で生まれ育って40年以上も暮らしたボクとしては、ちょっと無視できない記事。たしかに京都でタクシーを利用していたとき、先ほどのような運転手さんに当たってしまうことはあった。車酔いしそうなギクシャクする運転だったり、暴走族かと疑いたくなるほどぶっ飛ばす運転手さんもいた。
だけどほとんどが普通の運転手さんで、最初に書いたように神戸とさほど変わらない。タクシーの運転手さんは人間なんだから、相性の良し悪しを含め、全国的に同じような状況だと思う。だったらなぜ京都の運転手さんがこれだけ叩かれるのか?
その理由は、京都が観光都市だからと思う。
おそらく地元の人間は、ボクと同じような感覚だと思う。少数だけれど腹が立つ運転手さんは一定数いる。でも京都が特別に多いわけじゃない。京都のタクシー運転手さんが酷いと感じるのは、『言語文化』のちがいだと思う。
京都に観光へ来る人の多くは関西圏以外の人。つまり関西弁や京言葉に馴染みがない。近距離乗車でキレたとか、小銭ないと怒られたというのは、受け手の印象が大きく影響していると思う。関西弁というのは他府県の人にとっては当たりがキツい。それで怒っているように感じてしまうのでは?
京都の人なら「そんな近い場所はかなんなぁ」と嫌味を言われても、さほど気にならない。小銭が困るというのはちょっとしたマナーでもあるから、現金でタクシーに乗っていたころは事前に両替するように気を付けていた。でもうっかり乗った場合でも、「えぇ、万札かいなぁ」と愚痴を言われつつ、大抵はお釣りを出してくれる。それでキレられたとはあまり感じない。でも関西圏の以外の人だと、怒られたと思ってしまうだろうと思う。
これから京都は紅葉の本番を迎える。大勢の観光客の人たちが京都を訪れるだろうけれど、言葉のニュアンス違いで誤解が生まれることは多々あるような気がする。関西人だって、関東の人の言葉を冷たく感じることがあるからね。
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