台湾有事はかなり近いかも
ここのところ中国と台湾情勢に関して、どことなく不穏な空気が流れている。中国政府としては、台湾への武力行使を否定していない。むしろどんな手を使ってでも台湾を自国の領土とすることを明言している。だからこのまま何も起きないということは考えられない。
問題になるのはそれが「いつ」かということ。もしかしたらボクたちが考えているよりも、もっと早くに台湾有事が起きるかもしれない。まずは台湾で動きがあった。
今月の26日に台湾で統一地方選挙が実施された。記事のタイトルでわかるように、蔡英文総統が党首を務める民進党が敗北した。この結果を受けて蔡英文総統は党主席を辞任している。彼女は反中国の要となってきた人物だから、この記事だけだとヤバい気がしてしまう。
だけど2018年の選挙でも同じ結果が出て、そのときも蔡英文総統は党主席を辞任している。地方選挙は国防に影響がないので、今回の選挙ではコロナ対策の不満が野党に味方したと見られている。ただ中国政府としては蔡英文総統に揺さぶりをかけるチャンスであるのは事実。
スパイを使った工作活動によって、中国寄りの世論を形成する機会として利用するかもしれない。その結果として中国に対する台湾の対応が軟化することになると、早期の台湾有事を招くことになる可能性が高い。そして中国でも大きな動きが起きている。
中国で大規模な抗議デモが発生している。中国は徹底したゼロコロナ政策を強行していて、感染者が出るだけでロックダウンを実施する。抗議の発端は新疆ウイグル地区のウルムチ市。マンションで火災が起きて10人が亡くなった。
その理由が怖い。中国のロックダウンは国民に外出させないため、マンションの出入り口を外から封じてしまうらしい。それゆえ火災が起きた時に建物の外に避難できない人が大勢いたそう。この事態を受けて、ゼロコロナに対する抗議がデモ化してきた。
それは北京や上海まで飛び火した。ネットでもいくつか映像が流れているけれど、かなり激しい抗議活動になっている。AppleのiPhoneを製造していた工場でも、工員と防護服を着た警察との激しい衝突が起きている。
そのデモはゼロコロナ抗議から、習近平退陣というスローガンに変わってきた。まるで天安門事件のときのような雰囲気になっていて、中国全土で抗議の嵐が発生しそうな緊迫した状況になっている。
ここで気になるのは蔡英文総統と習近平国家主席の任期。蔡英文総統の残りの任期は2年。習近平国家主席の任期は5年。攻撃を仕掛けるつもりの習近平とすれば、自分の任期中に台湾問題を片付けてしまいたい。年齢を考えると次の任期まで待てないだろう。
ということは遅くとも5年以内に台湾有事が起きる可能性が高い。最も危険なのは蔡英文総統の任期が終わる2年後。今回の地方選挙敗北で求心力を失った場合、次の総統がどのような人になるかわからない。だから早ければ2025年に台湾有事が起きる可能性が高い。
ところが中国のデモが制御できない状況にまで広がったときはマズい。国民の不満を他に向けさせるため、中国政府が台湾有事を起こす可能性がある。ましてや国民から退陣を突きつけられた習近平としては、国家主席としての権力を国民に思い知らせる必要がある。
だから中国の情勢次第では2年後どころか、来年にも中国がなんらかの軍事行動に出る可能性が高いように思う。日本政府もそのことを想定しておかないと、手遅れの事態になってしまうかもしれない。果たしてドミノ内閣の岸田政権は大丈夫なのだろうか?
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