鑑定で母が叔父だった実話
血縁関係を証明するDNA鑑定は以前に比べて一般的になってきた。小説の題材で調べたことがあるけれど、DNAの親子鑑定を実施している民間企業がいくつも見つかる。犯罪捜査にも重要な証拠として取り扱われているDNA鑑定。ただまれに、不可解な結果が出ることもあるそう。
「父子鑑定をしたら母親は叔父でもあった」という珍事に現場は大混乱
リンク先の記事のタイトルを見て、頭が???になった。最初は叔父が母親に成りすましている事例かと思った。ところが「鑑定」と書かれている。それで記事を読むと、確かにDMA鑑定をした結果だった。
コロンビアの遺伝学研究所で公表された事例。ある少女がDNA鑑定で親子関係を調べた結果、実の母親ではないという結果が出た。いくつかの検査をした結果、父親とも血縁関係がないという答えが出てしまう。再検査しても同じ結果だった。
それで詳しく調べてみると、少女の母親の血液サンプルから、男性を示す「XY染色体」が検出された。そりゃ実の母親ではないという結果が出るだろう。だけど母親にすれば実際にお腹を痛めた産んだわけだから納得いかない。
その結果わかったのが、母親の遺伝子は「キメラ遺伝子」というものだったそう。受精した直後、おそらく二卵性の双子だったらしい。ところが男性の双子が成長しなかった。その際に二人のDNAがシャッフルされたことによって、少女の母親に産まれなかった男兄弟の遺伝子が残ったと見られている。
それゆえ男性の「XY染色体』が検出された。つまり鑑定を受けた少女にすれば、自分を産んでくれた女性は母親というだけでなく、血縁的には叔父でもあるということ。頻繁ではないものの、「キメラ遺伝子」というものは稀に発生するらしい。
だから親子鑑定や犯罪の証拠としてDNAを採用する場合、こうした事例もあることを考慮しておかなければいけないということ。DNA鑑定の結果が完璧だと思っていると、平和な家族関係が破綻したり、冤罪で刑務所に行く人が出てくるかもしれない。
ただなんとなく思ったのは、科学の進歩も良し悪しだなぁということ。DNA鑑定が存在しないころは、親子関係を確実に証明する方法がない。つまり夫婦にしても、親子にしても、相手を信用するしかなかった。それはそれでいい面があるようにも思う。知らなくてもいいことを、科学が教えてしまうこともあるからね。
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