心理的時間の使い方
いやぁ、朝から大興奮している。いつも早朝に起きて読書をしているけれど、今日は日本対スペインのサッカーを観戦。同点に追いついただけでも興奮したけれど、後半に逆転して逃げ切ったことに感動。歴史的瞬間を目撃したのは間違いない。
それにしてもアディショナルタイムの7分の長いこと。外出前の準備をしている7分間なんてあっという間なのに、この7分間は永遠に続くような気がするほど長く感じた。まさにこれこそが心理的時間のなせる技。
時間には物理的時間と心理的時間がある。物理的時間は計測の物差しとなる基準。日本の1分とカタールの1分は同じ。だけど人間の感じ方は違う。楽しいことをしていれば時間が早く過ぎたり、逆に嫌なことをしている時は長く感じる。そんな心理的時間に関して、とてもユニークな実験が行われた。
心理的時間の影響に関して、科学的な証明がされなくでも否定する人はいないだろう。物理的時間が伸びたり縮んだりするように感じる経験は誰にもあるはず。ただその心理的時間の具体的な影響は、これまで明確にされていないそう。そこでアメリカのコーネル大学の研究チームが面白い実験を実施した。
対象として選ばれたのが満員電車。満員電車が好きな人はまずいないだろう。痴漢目的の人は別としてwww
人間は他人との距離に心理的な壁を持っている。動物の本能として存在するもので、赤の他人との物理的距離が近づくことを歓迎しない。それゆえ満員電車においては、時間の経過が長くなると感じる人がほとんどだろう。その結果が具体的に提示されていた。
使用したのはVRヘッド。仮想世界を使うことで、混雑状況を任意に設定できるから。具体的なこんな感じ。
『混雑レベルは「1平方メートルあたりの人数が1人(車両内に35人)」から「1平方メートルあたりの人数が5人(車両内に175人)」の間で変動し、被験者は車両内で頭を動かしたり歩いたりして周囲を見回すことができました。乗客のアバターは体勢を変えたり、本を読んだり、スマートフォンを見たりと、自然な人間の行動を再現するように作られたと研究チームは述べています』
これで被験者の心理的時間と実際の物理的時間との差が検証された。結論から言えば、1平方メートルあたりの人数が1人増えるごとに、体感移動時間が平均1.8秒増加することがわかった。人間の心理的時間の変化がわかって、とても有意義な研究結果だと思う。
もちろん個人差はあるだろうけれど、時間というのが相対的なものであることは間違いない。つまり心理的時間をどのように使っていくかで、個人のパフォーマンスに大きな影響が出てくるということ。
1日が24時間であることは誰にでも同じ。だけどその密度を決めるのは、それぞれの人の心次第だということ。ただどのように時間を使うかは自由だけれど、ボクたちがつい忘れがちなことがある。それは『時間の本質』というもの。
『時間の本質』とは、人間は『今』しか体験できないということ。
60歳の人が生きてきたのは、常に『今』というのが事実。時間をリアルに感じることができるのは『今』しかない。過去は『記憶』であって、未来は『想像』でしかない。1分前はすでに過去であり、1分先は常に未来。つまりボクたちは常に『今』でしか生きられない。
ところがそのことを忘れている人がほとんど。ボクだって同じ。過去を悔やみ、未来への不安を抱えている。『今』という時間を忘れて、心は過去や未来を彷徨っている。やるべきことは『今』しかないのに、後悔と不安にどっぷりと浸かって身動きできない。
最も下手な心理的時間の使い方は、自分の心が『今』に存在していないことだと思う。このことはいつも忘れないようにしたいと思っている。
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