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高羽そらさんインタビュー

形骸化している宗教の見本

これまで日本人が海外へ行ったとき、無宗教だと答えるのはNGだと言われてきた。海外では宗教を信仰していることが当然だと考えられているから。だけど近年ではヨーロッパやアメリカでも、無宗教だと答える人が増えている。クリスチャンなのに日曜日に教会へ行かない人も相当数いるらしい。

 

おそらく宗教が本来有していた意義や目的が失われ、神罰を示唆して脅すことしかできない宗教家たちに気づいたからだろう。本来は人間を助けるべきものである宗教が、宗教組織の維持や政治的な目的のために悪用されている。そんな形骸化した宗教の実態を知って、多くの人が信仰から離れているんだと思う。

 

仏教国であるタイで、そんな実情を感じさせる事件が起きた。

 

全員アウトー!薬物検査陽性で僧侶全員がいなくなったタイの寺

 

最近のタイでは、薬物中毒者が増加しているそう。ミャンマーからラオス経由で流入するメタンフェタミンの主要中継地点となっているから。それでタイ警察も取り締まりを強化していたところ、タイ中部の寺で住職を含む僧侶全員が薬物陽性で逮捕された。

 

僧侶たちはすべて還俗させられ、リハビリ施設へ送られる。そこで困ったのがその寺の周辺に暮らしていた人。なぜなら『徳』を積むことができないから。

 

これはボクが以前から違和感を覚えていた東南アジアの仏教国に関する教え。一般人が托鉢する僧侶に食べ物を寄進することで、仏の加護を受けられると信じさせられている。来世において極楽浄土で暮らせるよう、『徳』を積みなさいというもの。それが僧侶に食べ物を寄付すること。

 

これっておかしくない? 僧侶は宗教家であり、人々を助けるのが仕事。一般人が自分たちの食べ物を節約して、僧侶に差し出すことに納得できない。本当に『徳』を積むのなら、食べることに困っている人に寄付するべき。『徳』を強制する僧侶に寄進することに違和感しかない。僧侶の立場なら、自分たちの食べ物を貧しい人に与えるべきじゃない?

 

そもそもタイの僧侶の多くは、子供のころに口べらしで出家した人たち。家族全員を養えないから寺へ出家させられる。そうすれば食べ物に困らないし、学校にも行かせてもらえる。つまり僧侶たちの多くは宗教的な動機があって仏の道に進んでわけじゃない。

 

だから薬物中毒になってしまう僧侶がいても驚かない。宗教心が存在する僧侶のほうが少ないんだから。なのに民衆は世代を重ねて『徳』を積むことを刷り込まれている。それゆえこの村では、代わりの僧侶を派遣するという事態になったらしい。

 

この事件の本当の問題は僧侶の薬物中毒ではなく、宗教の教えが人々を縛り付けていること。僧侶に食べ物を寄付すれば、念仏を唱えれば、アラーを信じて教理を実行すれば、キリストを信じれば救われる、ということを教えている宗教家たちに問題がある。

 

古代から宗教に依存させることで、一般民衆の自立を抑制してきた権力者の手法がいまだに根強く残っている。若い世代はその矛盾に気づき始め、宗教から離れつつあるんだと思う。このタイの出来事は、形骸化している宗教の見本のようなものだと感じた。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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