腹をくくった時期の違い
今日はまったくどうでもいい個人的な記録が更新された。コロナ禍ならではのもの。
2020年の1月16日に映画鑑賞のために外食してから、今日までまったく外食をしていない。ずっと1日3食を自宅で食べている。たまにフライ等の惣菜を買って帰ることもあるけれど、おかずの一品になるだけ。デリバリーも、そして弁当でさえ持って帰ったことがない。この外食なし記録が4年目に突入した。
それに付随して、さらにどうでもいい記録がある。同じく2020年1月16日以来、外でトイレに行っていない。外出するのは必要最低限の時間なので、長くても一回に3時間まで。だからこの3年間、自宅以外でトイレに行っていないという、どうでもいい記録www
さらにもっと言えば、3年以上は神戸市から出ていない。コロナ禍前から考えると、4年前の4月に福井県へ花見に行ったのが神戸市を出た最後かも。たまに出身地の京都へ遊びに行ってたけれど、ここ4年以上は行ってないと思う。つまり完全な引きこもり生活をしている。
といって何かを我慢しているわけじゃない。家での食事は楽しいし、不満も不足もない。神戸市の灘区では基本的になんでもそろうし、ネットもあるので特に困らない。美味しいケーキもパンも手に入るからね。そして引きこもりでも、映画や読書で広い世界をリアルに感じることができる。
年末年始のリレー読書も楽しく継続している。
2023年 読書#6
『新版 指輪物語3 旅の仲間 下1』J・R・R・トールキン著という小説。前作についての感想は『カットされた重要人物』という記事に書いているので参照を。
『指輪物語』のシリーズ一気読みを継続中。この本を読了して、残り6冊となった。今回はフロドたちが無事に裂け谷にたどり着いて、エルロンドの会議で指輪を葬るメンバーが決まる。そして旅に出た一行はモリアの坑道を通過することとなり、オークの攻撃を受けることになる場面まで。
今回も映画しか観ていない人のために、原作とのちがいを書いておこう。まずは会議で決まった旅のメンバーを紹介しておこう。
フロド、サム、ピピン、メリー(以上ホビット)、ガンダルフ(魔法使い)、アラゴルン、ボロミア(人間)、レゴラス(エルフ)、そしてギムリ(ドワーフ)という9人。映画を観た人なら、すぐに顔が思い浮かぶだろう。
このメンバーが決まるまでの過程が映画と原作ではちがう。映画では会議があってすぐにメンバーが決まった。そして数日で旅だつという流れ。でも原作はそうではなく、会議で決まったのフロドとサムだけ。そこから綿密な調査が始まる。
アラゴルンやエルロンドの息子たち、そしてエルフたちが中つ国に旅立って、サウロンの影響がどの地域まで及んでいるかが調査されている。その期間は約2ヶ月ほど。だからフロドたちホビットは、ビルボとの再会を時間をかけて楽しんでいる。
そしていよいよ時間が迫ったところで、エルロンドによりメンバーが指定された。そこでようやく旅の仲間が決まる。時間の感覚が映画と原作ではかなりちがう。さらに最も大きなちがいは、未来の王であるアラゴルンに関すること。
映画のアラゴルンは、まだ未来の王となるための腹のくくりが完全ではなかった。彼が本気になったのは、映画の第3部にあたる『王の帰還』という作品で、幽霊が潜む谷に潜入する前。エルロンドが「ナルシル」という折れた剣を鍛え直して持ってきたとき。
この「ナルシル」はエレンディルという人間の王が持っていた剣。エレンディルはサウロンに殺されて、その剣は折れる。だけど息子のイシルドゥアが折れた剣でサウロンの指を切り落とす。そのときに指輪がサウロンの手を離れた。この剣が鍛え直されるとき、新しい王が立つという予言がある。
映画ではクライマックスのその剣が鍛え直されている。名前が「ナルシル」から「アンドゥリル』に変わる。ところが原作では、アラゴルンが旅に出る前にこの剣が鍛え直されている。つまり旅に出る段階で、アラゴルンは王としての運命を受け入れていた。つまりこの時点で腹をくくっていたことになる。
このちがいは意外に大きい。映画では演出効果が考えられているけれど、原作のアラゴルンは常に自分の覚悟を背負って行動している。だからあれだけ献身的に働けたんだと思う。こうして原作を読むと、演出のちがいがわかって楽しい。さて、いよいよガンダルフに悲劇が迫ってきた。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。