負け戦を救う異世界の助っ人
年明けから季節外れの暖かさが続いた。でも数日前から平年並みの気温に戻り、来週には数年に1度の寒波がやってくるらしい。そういえば何年か前、神戸に引っ越してからの最強の寒波を経験した。
マンションのエントランスに水景がある。薄い氷が張ることは年に1、2度ある。だけどそのときは完全に凍って、子供が乗っても割れないほど厚い氷ができた。我が家では結露を拭こうと思い、少しだけ換気のために窓を開けた。ところが数分後には結露の水が凍ってカチカチ。もしかしたら、それが数年前の寒波だったのかも。
でも考えようによっては、来週の寒波をやり過ごせば今年のピークは終わったようなもの。何度も数年に一度の寒波は来ないだろう。そう思えば寒波を乗り切ったあとの達成感が楽しみかもね。
さて、年末年始の読書駅伝は継続中。ついに本格的な戦闘が実施された。
2023年 読書#9
『新版 指輪物語6 二つの塔 上2』J・R・R・トールキン著という小説。前作についての感想は『サウロンの致命的なミス』という記事に書いているので参照を。
この本を読了して、読書駅伝は残すところ3冊。といってもそこから本の厚みが増すので、読了には時間がかかる。今回は映画化された『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』に関係する部分の続き。
この作品の戦闘シーンは物語の見どころでもある。映画では迫力のある映像に圧倒された。原作でも同様に激しい戦闘シーンが描かれていて、この作品では裏切り者となった魔法使いのサルマンとの戦いが中心になる。
ローハン国に向かったガンダルフ、アラゴルン、レゴラス、そしてギムリの4人。映画とは少し内容がちがうけれど、蛇の舌と呼ばれるグリマからローハンのセオデン王を救ったことで、サルマンの派遣する軍と戦う体勢ができた。ちなみにこのグリマには、原作だけにしかない重要な役割がある。それについては『王の帰還』に書かれていることなので、そのときに紹介しよう。
戦いの場はヘルム渓谷という城砦。映画と同じく原作でもガンダルフは応援を求めて単独行動を取る。だから残されたアラゴルンたちは、圧倒的多勢で迫ってくるオーク軍との戦闘を強いられた。ここに至る過程は、映画と原作ではちょっとちがう。といっても物語に影響はないので割愛しよう。
最終的に夜明けと同時にガンダルフが応援部隊を連れてやってくる。実はここも連れてきた部隊が映画と原作ではちがう。映画は映像での演出が優先されるので、このあたりはかなり脚色されている。
この『指輪物語』において、主人公側は必ず負け戦状態に追い込まれてしまう。だけど想定外の助っ人がやってきて、戦況をひっくり返すのがパターンとなっている。だからこのヘルム渓谷の戦いでも助っ人はやってくる。そしてその助っ人は、必ず想定外の存在が使われれている。
この戦闘ではエントとい木の牧人。見た目は巨大な大木だけれど、目もあれば歩くこともできる。このエントの集団がサルマンの拠点であるアイゼンガルドを襲い、さらにフォルンという元はエンドで木になりかけている存在をヘルム渓谷に送った。万単位のオークを殺すため。
結果としてエントの戦闘参加によって、アラゴルンを含むローハンの戦士たちは勝利することになった。このエントが戦闘に参加する場面が、原作と映画ではちがってくる。関係するのはホビットのピピンとメリー。
映画ではピピンとメリーがサルマンの非道とサウロンによる陰謀を、ファルゴンというエントの首領に語る。だけどエントはなかなか本気になってくれない、それで諦めて帰るフリをしたピピンが、サルマンによって破壊された森を見せる。それでエントたちが怒るという展開。
でも原作のエントはそんなボケじゃない。ピピンたちの話を聞いて、彼らは真剣に語り合った。時間はかかったものの、サルマンを許さないということを決定して、自分たちの意思でアイゼンガルドを攻めている。エント好きのボクとしては、原作の彼らのほうが物語に適していると思う。
今回はこの二つの戦闘が中心。そして映画では『王の帰還』の冒頭で使われた場面が、この作品では記されている。それはガンダルフによる魔法使いサルマンの解任。これで魔法使いの指導者はガンダルフとなった。そして彼らは次の戦闘地となるゴンドールへと向かう。
ここまでフロドとサムの物語は書かれていない。次の作品で、今回の二つの戦闘中の彼らの物語が語られる。映画では同時進行していたけれど、原作では完全に分けて書かれた。ということで今夜からフロドとサムの冒険を読み進めていこう。
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