偽札製造のカラクリに脱帽
ミステリ系の小説を読んだり映画を観ていると、使われているトリックやカラクリに驚かされることがある。種明かしで納得する程度なら、なるほどと思うだけ。だけどあまりに突飛な仕掛けがしてあると、思わず「おぉ〜!」と叫んでしまう。
原作を読んだときそのカラクリに驚いた作品がある。ドラマになって再度見ても、やっぱり「おぉ〜!」と叫んでしまった。
2023年 映画#13
『ジャック・リーチャー ~正義のアウトロー~』(原題:Reacher )シーズン1・エピソード7『リーチャー何も語らず』という2022年のアメリカドラマ。
エピソード6の感想については、『二人の見事な返り討ちに興奮』という記事に書いているので参照を。
映画にもなった『ジャック・リーチャー』シリーズのドラマを追いかけている。シーズン1は全8エピソードなので、いよいよラスト前。ジャックの兄を殺した黒幕はほぼ明かされた。偽札作りに関わっていたのは街の救世主だとされたクライナー工業。
その社長が黒幕だと思われていたけれど、殺人犯によって殺されている。この段階で実行犯は想像できるけれど、最終回に明かされるまで置いておこう。今回の冒頭では、再び悲惨な殺人が起きる。偽札製造の証拠を握っているであろう行方不明のハブルという元銀行員。
そのハブルの親戚にあたる警察官とその妻が惨殺された。ジャックはその殺し屋グループを排除するために、犯罪に関わっている警官に嘘の情報を流す。それが先ほどの写真の場面。ハブルの自宅で今夜ジャックが証拠を探すと伝えた。当然ながら殺し屋たちはジャックの命を狙いにくる。
今回のアクションの見せ場はこのシーン。たった一人で5人の殺し屋をやっつけてしまうジャック。それも日本のチャンバラのように、あり得ない強さで勝つという方法じゃない。元軍人らしく丁寧に仕掛けを施し、一人ずつ着実に仕留めていく。これだからこのドラマは面白い。
そして最初に書いた驚きのカラクリとは偽札製造の方法。殺されたジャックの兄は、ドル紙幣に使える紙を限定していた。だからアメリカ国内で偽札を作るならば、その紙の入手先を調べる必要がある。だけどジャックの兄はそれを見つけられなかった。なぜなら紙幣用の紙を調達していないから。
なんとクライナー工業で作られていた偽札の材料は、同じ紙幣の1ドル札だった。1ドル紙幣を大量に集めて、それを特殊な装置と液体で漂白する。当然ながら紙幣なので紙の材質で偽札だとバレない。そして漂白した紙幣に100ドル札の印刷を施す。
つまり1ドル紙幣が100ドル紙幣に化けるという方法。100倍なんだから、材料費や人件費を差し引いても儲かる仕組みになっている。そうして作った100ドル紙幣を海外へ流していた。いやぁ、なんという斬新な手口だろう。1ドルが100ドルになるなんて。
実際に可能かどうかはわからない。だけど原作ではかなり詳細に書かれていたので、おそらく矛盾点は解消されているはず、もちろん模倣できないようになっているんだろうけれど、アイデアとしてはユニークだよね。さて、いよいよ次は最終回。ドラマのジャックに馴染んだから、彼との別れが寂しくなってきたなぁ。
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