読書駅伝を予定通り完走
12月29日から1月30日までシステム変更のため閉館していた神戸市図書館。その期間を通じて貸出が延長されたことで、久しぶりに『指輪物語』関連の作品を一気読みした。以前はすべて所有していたけれど、今は『指輪物語』の英語版の原書だけを持っている。だから久しぶりに通読した。
一気読みしたのはこの12冊の本。貸出期間が2月2日までになっていた。それで今日からスタートした新システムで確認すると、従来どおり予約のない書籍は1度だけ延長可能となっていた。でも読了できたので文句なしの完走。明日はこの12冊を図書館に返却しようと思っている。
新システムにさっそくログインした。とても使いやすくて、予約している本の待ち人数まで表示されている。カートに置いている作品もすぐに予約できるかどうかもわかる。そのうえスマートフォンもで貸出可能となったのでうれしい限り。年配の人にすればちょっとハードルが高いかもしれないけれどね。
ということで読書駅伝のアンカーとなった作品を紹介しておこう。
2023年 読書#12
『新版 指輪物語9 王の帰還 下』J・R・R・トールキン著という小説。前作についての感想は『カットされたキャラの重要な役割』という記事に書いているので参照を。
これで映画版の3作目となる『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』に当たる原作が終了。いつもと同じく映画しか知らない人のために原作とのちがいを書いておこう。
フロドとサムが指輪を葬ったことで、アラゴルンたちも絶体絶命の境地から救われた。アラゴルンたちの目的は、サウロンの目をフロドたちから逸らすためだったから。それゆえ勝つ見込みのない戦いだった。もちろん原作でも指輪を葬るのにゴラムという存在が欠かせない。
その後にアラゴルンが王となった戴冠式があり、ホビット庄に帰ったフロドたちの平和な生活。そしてフロドとビルボが、ガンダルフやエルフたちと一緒に神が暮らす西方世界へと旅立っていくところで終わる。この部分は原作も映画も基本的に同じ。
ところがサウロンが滅んでから、実は様々な出来事が起きていた。それらが映画では完全にカットされている。ローハン国の姫であるエオゥインとゴンドール国の執政となるファラミアとのロマンス。アラゴルンが妃となるアルウェンを呼び寄せるまでの出来事。そして旅の仲間の解散までの小旅行等がカットされている。
さらに原作では最後の最後まで戦いが用意されていた。映画の2作目で失脚した魔法使いのサルマンのその後は無視されている。だけどこの元魔法使いはホビット庄に逃亡して、フロドたちの故郷を破壊していた。オークや邪悪な人間を引き連れて、ホビットたちを恐怖で支配していた。
フロド、サム、ピピン、メリーたちはサルマンと最後の決着をつける。この戦いにはガンダルフもアラゴルンも手伝っていない。なぜなら彼らはもっと恐ろしい敵と戦ってきた経験を積んでいたから。だからホビットたちを結束させ、侵略者たちを追い出している。
サルマンは手下の蛇の舌を連れて逃げようとする。蛇の舌はローハン国王のセオデンに支えていたサルマンのスパイ。彼はフロドの温情でホビット庄に残ろうとしたがサルマンに叱責される。それで怒りに任せて彼を殺してしまった。そしてホビットたちによって蛇の舌も殺された。この二人の最後は映画では完全にスルーされている。
この物語のラストは、フロドとビルボの旅立ち。この部分は映画だけでは理解しにくい。指輪所持者はサウロンの毒に精神をやられてしまうので、心の重荷が取れない。それゆえ永遠の命が約束されている西方世界へと旅立つことになった。
そんなフロドが西方行きの船に乗れたのは、指輪所持者だけが理由じゃない。本来はエルロンドの娘であるアルウェンもその船に乗るつもりだった。だけどアラゴルンの妻となったことで、エルフの恩寵からは外れることになった。
それでアルウェンはフロドに対して、彼女に割り当てられていた権利を譲っている。これも原作でしか触れられていない事実。そのことがわかっていると、フロドの旅立ちについてさらに深く理解できることになる。まぁ、その他にも数え切れないほど原作だけのエピソードがある。映画を観てこの物語の世界観が気に入った人は、ぜひとも原作を読んで欲しい。
さて、久しぶりに通読したことで、次の挑戦へのモチベーションが高まった。いまだ完読できていないこの物語の原書を読破すること。辞書を引きながらの読書になるので、どれだけ時間がかかるか分からない。でも何年かかってもいいから、絶対に読了しようと思っている。
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