歴史的事実を暴くコンピュータ
イギリスびいきのボクが大好きな映画に、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』という2018年の作品がある。16世紀の実話に基づく物語で、イングランド女王であるエリザベス1世と、従姉妹のスコットランド女王であるメアリー・スチュアートの関係を描いたもの。ちなみに昨年亡くなったイギリス女王は、エリザベス2世となる。
映画でエリザベス1世を演じてたのはマーゴット・ロビー。そしてメアリーを演じたのはシアーシャ・ローナン。二人とも大好きな女優なので、ボクにとっては2倍お得な作品だと言っていい。
エリザベス1世には子供がいない。メアリーは夫のフランス王が亡くなったことで、スコットランドに戻ってきた。だけどすでにスコットランドはイングランドの支配下にある時代。子供がいないエリザベス1世に対して、メアリーはイングランドの王位継承権を主張する。
メアリーは再婚することで子供ができる。その子のジェームズは後のイングランド王になる。だけどメアリーは息子がイングランド王になるのを見ることができなかった。エリザベス1世に幽閉され、やがてエリザベス1世の暗殺未遂事件に関与した証拠が見つかったことで斬首されてしまう。
なかなかシリアスな物語なんだけれど、気になるのはメアリーが暗殺に関わったという証拠。もしかしたらその事実に関して、新しい事実が見つかるかもしれない。
先ほどの映画を観た人なら、このリンク先の記事は気になるはず。フランスの国立図書館には、貴重な資料が残されている。まだ研究されていない文献も多く、新発見となる事実が隠されている可能性の宝庫とのこと。
そんななか、メアリーが残した手紙がある。一部は暗号化されていて、これまで詳細がわかっていなかった。その手紙は1578年から1584年にかけて、メアリーが斬首刑になる直前の1587年2月8日までのもので、幽閉されていた状況がわかるとのこと。
最新のコンピュータを使うことで、暗号化されていた部分が明らかになった。「ヒルクライミング」という技術で、暗号から意味のある単語を見つけ出す。そこを手掛かりにして暗号の全文を解読していく装置とのこと。
暗号文に「ウォルシンガム」という名前が見つかったのが暗号解読のきっかけとなったそう。この人物はエリザベス1世の主席秘書官で、メアリーの暗号を解読して彼女を処刑へと追いやった人物。
メアリーはウォルシンガムのついて触れ、フランスとスコットランドでの彼の陰謀を警告し、狡猾な人間で、本心を隠して好意的にふるまう人物だと否定的に記述しているとのこと。メアリーは当時からウォルシンガムに対して強い警戒感を持っていたらしい。
さらに息子のジェームズの誘拐事件に関してフランスに助けを求めた。だけどその結果に失望して、自分と息子はフランスに見捨てられたという文章も残していた。なかなかリアルでワクワクするよね。
まだまだ全容の解明には時間がかかるそう。この先にどんな事実が出てくるのか楽しみで仕方ない。まさかメアリーも、未来の技術がが自分の手紙を解読するとは想像もしていなかっただろうなぁ。
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