閃きが起きる必要条件
すっかり春気分の神戸。今日は上着の着用を最初から考えず、セーターだけで外出した。それでも帰りの上り坂は汗ばんだほど。今日の神戸の最高気温は17.3度。メジロはあちこちで見かけるし、近いうちに鶯の初鳴きも聞けそう。ツバメたちもそのうち帰ってくるだろうな。
ということで春らしい写真を。いつも春の訪れを感じさせてくれるのが杏の花。買い物途中の公園に植えられている。今日の杏はこんな感じ。
まだ蕾はあるけれど、満開近しという雰囲気。実際に見ると本当に綺麗で、しばらくうっとりと見とれていた。全体に見るとこうなる。
これが初夏になると見事な杏の実をつける。神戸市管理の公園なので、実を取らないでくださいとの注意書きが出る。あまりに美味しそうなので、取りたくなる人の気持ちはわかる。もしかしたらこっそりと収穫している人はいるだろうなぁ。
こんな美しい花を見たら、詩心のある人なら一句閃くのかな? NHKドラマ『舞い上がれ』の梅津貴司なら短歌が出てくるんだろう。そんな一瞬の閃きを短歌ではなく、犯罪捜査に応用しているキャラがある。それはジャック・ライアン。遅ればせながら観ているシーズン1のドラマが佳境に入ってきた。
2023年 映画#39
『トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン』(原題:Tom Clancy’s Jack Ryan)・シーズン1:エピソード5『栄誉の終わり』という2018年のアメリカドラマ。前作の感想については『日本人には直視できないシーン』という記事に書いているので参照を。
ジャックがテロを起こすと確信していたスレイマン。だけどもう一歩のところで逃してしまい、スレイマンの居所を知っている弟のアリも前回のエピソードで死んでしまった。正当防衛でジャックが射殺してしまったから。そしてフランスの教会でついにテロが起きた。
それはサリンによるテロ。先ほどの写真は、ドラマの冒頭で防護服に身を包んだ警察が教会に入ったところ。300人以上の人が犠牲となった。その中には大勢の子供もいた。そしてスレイマンによる犯行声明が出た。
アリを殺してしまったことで、このテロを防げなかったとジャックは自分を責める。それでも上司に励まされて、必死になってスレイマンの居場所を探ろうとしていた。そこで関わってくるのが、前回にスレイマンを恐れて逃げ出した妻と二人の娘。
この3人の女性はシリアの国境を超えてトルコの難民キャンプに到着した。母親のハニンはヨーロッパへの移住を希望するが、職員の態度は冷たい。スレイマンのこともあるので本名も明かせない。
困ったハニンは、テロを起こしたスレイマンの妻であることを明かし、アメリカに政治亡命を申請する。ところが対応した職員の配慮が足りず、ハニンは亡命申請を諦めてしまう。そして違法な密入国を斡旋している人物と接触した。
ジャックはアメリカのCIA本部で、スレイマンの妻と名乗る女性が現れたことを知らされる。だけど確信が持てない。そこで彼の閃きが起きた。それはアリが死んだことをまだスレイマンは知らない。そしてアリがテレビゲームを通じてスレイマンと連絡を取っていると閃いた。
CIA幹部が見守るなか、ジャックはスレイマンとの接触に成功する。だけど弟のアリしか知らない言葉を投げかけられて、偽物だとバレてしまった。そこで終わらないのがジャック。自分がアリを殺したことを伝え、かつ妻が逃走しているだろうと探りを入れた。その途端、スレイマンは通信を切った。
そこで妻の逃亡が事実だと確信したジャックは、難民キャンプがあるトルコへ向かう。今回はここまで。いよいよ物語が大きく動き出した。
このドラマのジャックを見ていて、「閃き』が起きる必要条件があるのを感じた。「閃き」は直感のように降りてくる感覚だと思う。だけど本当はちがう。
「閃き」がやってくるのは、それまでに膨大なデータや知識を脳の引き出しに保存しているから。つまりジャックは常に、どんな時も考えている。そして情報を集めて脳の引き出しにしまい込んでいる。だからこそ「閃き」が必要な時にやってくる。
「閃き」は一か八かで降りてくるものではなく、丹念な努力の結果としてやってくるものだと思う。ドラマでもこんなことを勉強できるんだから素晴らしい。さて次回はどうなるのだろう? 楽しみだなぁ。
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