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高羽そらさんインタビュー

コミュ障青年の悲しい恋

ボクの本質はコミュ障と言ってもいい。物心ついた頃から何の根拠もないのに、この世界は自分の本来の居場所じゃない、という感覚が抜けない。それは今でも心のどこかで抱えている。だけどそのことを人に知られてはいけない。だから子供時代だけでなく、成人しても必死で普通っぽく見える演技をしてきた。

 

ボクは参加しなかったけれど、この前の日曜日に京都で高校の同窓会があった。還暦同窓会と銘打って、同期の仲間が120人ほど集まったそう。それで高校時代のことをなんとなく思い出していた。真っ先に感じたのは強い孤独感。友達もいたし、それなりに高校生活を過ごしていた。

 

といっても昼前に通学したり、昼休みに学校を抜け出したりと、真面目な生徒じゃなかったけれどね。学校にあまり行きたくなかったのは、どうしてもそこが自分の居場所だと感じられなかったから。これは今風に言えば完全にコミュ障だよね。

 

ただ学校を抜け出したからといって、他に心地いいところがあったわけじゃない。この世界そのものが自分の居場所じゃないと感じているんだから、生きている限りは逃げ道がないのだろう。ただ普通に見える演技が出来すぎて、ボクは社交的な人間だと思われている。まぁ、他人の見た目なんてそんなものだろう。

 

ある映画の主人公はコミュ障だった。かなり変わったストーリーなんだけれど、それだけに感情移入して映画の世界に入り込んでしまった。

 

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2023年 映画#44

『ナイト・ウォッチャー』(原題:The Night Clerk)という2020年のアメリカ映画。主人公のバートはコミュ障といっても、アスペルガーという自閉症の青年だった。アスペルガーの主人公といえば『レインマン』のダスティン・ホフマンが有名。

 

この映画のパートはアスペルガーだけれど、どうにか普通に見られるように努力をしていた。彼はホテルで働いている。それで考えたのが、ホテルの客室に隠しカメラを仕掛けること。これは完全に犯罪であって、最初は変態が主人公なのかとひいてしまった。

 

バートの目的は他人の会話を映像で見ることで、それを必死で記憶して練習するため。少しでも普通に見えるようなコミュニケーションを取ろうとして、涙ぐましい努力の結果として盗撮していた。動機には寄り添えるけれど、やっていることはかなりヤバい。

 

そしてそのとおり、殺人事件の生中継を見てしまう。犯人の証拠となる映像を録画しているけれど、自分のやっていることが盗撮だから、警察にはそのことを話せない。ところが犯人はバートが証拠を持っていると知ってしまう。

 

そこでバートに近づいたのがアンドレアという女性。犯人の不倫相手だった女性で、殺されたのは犯人の妻だった。アンドレアはアスペルガーの弟がいたと語りバートに近づく。これが事実かどうかはわからないけれど、アンドレアの目的はバートが持っている証拠の映像を手に入れること。

 

だけどバートはそのことを知らない。そして本気でアンドレアを好きになってしまう。コミュ障なのに必死になって服を選び、髪を整え、彼女に気に入ってもらおうとする。だか結果として証拠の映像を奪われ、バートの恋は破れてしまった。

 

ただ彼はデータのコピーを持っていたことで、ようやく警察にそのデータを提出。犯人は逮捕されるだろうという場面で映画は終わる。ちょっと変わった映画で、独特の雰囲気がある。苦手な人は無理かもしれない。

 

だけどボクはバートの気持ちに感情移入してしまった。だから彼の努力も理解できるし、失恋の痛手にも共感した。バートを演じたタイ・シェルダンは以前から注目していた俳優。演技力のある人なので、これからさらに活躍するだろうと思う。

 

そしてアンドレアを演じたアナ・デ・アルマスはかなりの美人。どこかで見たことがあると思って調べたら、『ブレードランナー2049』で主人公のライアン・ゴズリングの恋人代わりだったAIロボットを演じていた女優さんだった。『007』の最新作にも出演しているそうなので、チェックしてみようと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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