酒は健康食品じゃない
「酒は百薬の長」という言葉がある。適度な飲酒は、健康増進に寄与するという意味。だからといってお酒に弱い人は、あえて飲まない方がいいというニュースが昨日報道されていた。国立がん研究センターの研究チームが胃がんについて飲酒との関連を発表している。
外国人に比べて、日本人はお酒に弱い人が多い。遺伝的にアルコールを分解できない体質の人が一定数いるから。このタイプの人が飲酒を継続すると、遺伝子変異を誘発する可能性が高いらしい。その結果として、スキルス胃がんを発症するケースが見られるとのこと。
だからあまりお酒に強くないのに、仕事上の付き合いで毎日飲む人。あるいは仕事終わりの居酒屋や家庭での晩酌が習慣になっている人は、お酒が強い人に比べて病気になるリスクが高くなるということらしい。お酒が弱い人は、飲み過ぎを控えるべきなのだろう。
だったらアルコールに強い人。つまりボクのような人間なら、やはり「お酒は百薬の長」なのだろうか? どうやらそうでもないらしい。
「酒は百薬の長」は間違いだった 最新研究で判明「酒と健康は共存できない」
リンク先の記事は、お酒に関する神話について最新研究の見地から回答されたもの。なかなか興味深い内容だった。
最初の神話はこれ。
『ワインとビールをちゃんぽんで飲むと悪酔いや二日酔いする』
こうした話は、ボクが若いころもよく耳にした。ボクの場合はビールと日本酒。とにかくお酒の組み合わせを間違えると、悪酔いするという神話。ところが結論から言えば、これは嘘だと証明されているそう。
二日酔いや悪酔いを誘発するのは、お酒の種類ではなく摂取したアルコール量。要するに同じお酒を飲んでいても、その人の許容量を超えたら二日酔いになるということ。外国では逆の神話があって、「ワインよりもビールを先に飲めば二日酔いしない」と言われている。だからこれも間違い。
そして次の神話。
『少しの飲酒はまったく飲まないよりも健康にいい』
これが「酒は百薬の長」と語られてきた神話。同じく結論から述べると、これも最新研究で嘘だと証明されているそう。リラックス効果をポジティブ面として考慮するなら、少しは健康にいいという考えもできるだろう。
アメリカでは「よりよい健康を求めて酒を飲むべきではないが、適度な飲酒(女性は1日1杯、男性は1日2杯まで)なら害にならない、あるいは有益かもしれない」と主張されてきた。この主張は的外れではないそう。記事から抜粋してみよう。
『ノンドリンカー(まったく飲まない人)にくらべ、1日1杯飲む人はがんや糖尿病などアルコールに関連する23もの健康問題のリスクが0.5%高くなる』
これだと10万人あたりで増加する死者が4人というもの。だからさほど気にする必要はない。むしろリラックスできることで、メンタル面のプラスが考慮できるかもしれない。ところが量が増えるとそうはいかない。
『しかし、1日2杯飲む人はノンドリンカーにくらべ、健康リスクが7%も上昇する。そして1日5杯飲むと健康リスクは37%も上昇する』
こうなると無視できない数字。1日1杯程度なら飲まない人とさほど変わらない。だけど毎日の飲酒量が多い人は、確実に病気を発症するリスクが高くなる。この結果を受けて、リンク先の記事では以下のようにまとめている。
(a)アルコールは健康にはマイナスである。だから、飲まないのがベスト。
(b)あなたが、今、飲酒していないなら、よりよい健康を求めて飲み始める必要はない。
(c)あなたがすでに飲酒しているなら、適量を超えて飲むべきではない。
なるほどね。毎日飲みたい人なら、1日1杯(この1杯がどの程度の量なのかわからないけれど。ビールならジョッキ? それともグラス?)程度がアルコールの適量だということだろう。まぁ仕事の付き合いもあるだろうから、なかなか難しいところかもね。
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