『光る君へ』の期待が増幅中
毎年の大河ドラマに合わせて、読書の幅を広げるように意識している。それゆえ昨年は源平時代の書籍を読み込み、現在でも『吾妻鏡』の全巻制覇を目指している。今年になって山岡荘八さんの『徳川家康』を読んでいる。文庫本で26巻まであるが、現在はまだ2巻の途中。家康はまだ五歳なんだよね。
そして来年の大河ドラマの主人公は紫式部。日本史好きのボクだけれど、これまでこの時代には縁遠かった。それではいけないと思い、昨年は『源氏物語』の全巻を毎朝少しずつ読み進めて読了した。
想像していたよりはるかに面白い物語で、平安時代の恋愛物語を舐めていたと反省。ただあまりに登場人物が多く、さらに時代が進むにつれて同じ人物の呼び名が変化していく。それでまだ消化しきれない部分が多々あったので、二度目の通読に挑戦した。二度目は初回をはるかに超える面白さだった。
2023年 読書#30
『源氏物語 全巻完全版』紫式部 著 与謝野晶子 訳という小説。
先ほど書いたように、人物構成を把握できた二度目の方がはるかに面白かった。確かに貴族の複雑な恋愛を描いた物語。だけどこの当時の貴族の人たちの風習や生き様をリアルに感じられて、毎朝タイムトラベルしたような気持ちで過ごすことができた。
たまに著者である紫式部による皮肉等が書かれていると、思わずニヤッとしてしまう。この物語の世界は著者の目を通したものだから、当然ながら彼女のバイアスがかかかっている。それだけに来年の大河ドラマが楽しみで仕方ない。
『光る君へ』という作品で紫式部を演じるのは吉高由里子さん。そして光源氏のモデルの一人と言われている藤原道長を演じるのは柄本佑さん。その他のキャストも少しずつ発表されていて、ワクワク気分が高まっている。
『源氏物語』は恋愛物語として読んでも面白いし、貴族の権力争いという視点でも楽しめる。さらに物の怪という部分から読むと、オカルトやホラーとしても読むことができる。登場人物は常に過去生の因縁という視点で生きているので、スピリチュアルな物語として読み解くことも可能。
とにかく懐の深い物語で、これまでの歴史を通じて大勢の人に愛されてきたのがわかる。与謝野晶子さんの翻訳も、初回は慣れなくて苦労した。でも二度目になると、彼女の文体によってかえって想像力が深まったように思う。今回は和歌に関してもじっくり鑑賞することができた。
このままこの時代の予習を続けようと思っている。次に考えているのは『紫式部日記』という著作。すでに図書館でチェック済み。それが終わったら、清少納言の『枕草子』にもトライする予定。もちろん現代語訳だけどね。これだけ予習しておけば、いい感じで来年のドラマを楽しめるだろう。
今から『光る君へ』の期待が日々増殖している。もちろんその前に『どうする家康』をじっくり楽しむけれどね。
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