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高羽そらさんインタビュー

久しぶりに鎌倉幕府がやらかした

『鎌倉殿の13人』というドラマの影響で、様々な関連書籍を読んでいる。ドラマは三谷幸喜さんの脚本だったので、クスッと笑えるシーンが多かった。でもそれはおどろおどろしいあの時代の出来事を、より効果的に演出するための手法だった。

 

実態は裏切りと陰謀が混ざり合った世界で、武家政権を安定させるために多くの人の血が流されている。源頼朝が存命中は武士の棟梁としての威光を浸透させるため、力のある豪族を次々と血祭りにあげていった。

 

頼朝の死後、北条氏が幕府を維持していくために同じ手法が使われた。それが二代将軍頼家の排斥、3代将軍実朝への暗殺へと繋がっていく。そして公家による支配からの脱却を象徴するものとして、承久の乱が起きる。ドラマもそこまで描かれていて、北条義時の病死(毒殺?)でエンディングを迎えた。

 

このドラマをきっかけにして、ボクは『吾妻鏡』の現代語訳を通読している。全部で16巻あるが、前回の第11巻で完全にドラマ後の世界へと移行した。しばらくは見た目の平和が続いていた。ところが今回の第12巻において、久しぶりに鎌倉幕府がやらかした。これでこそ鎌倉時代だろう。

 

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2023年 読書#39

『現代語訳 吾妻鏡12 宝治合戦』五味文彦、本郷和人、西田友広 編という著作。鎌倉幕府の公式記録である『吾妻鏡』の現代語訳をまとめた作品。

 

今回は寛元2年(1244年5月)から、宝治2年(1248年)までの記録が掲載されている。ドラマで坂口健太郎さんが演じていた北条泰時の執権時代は、比較的戦乱の少ない時代だった。それまでに北条氏に対抗する武家たちが滅ばされてしまったから。

 

この作品の時代では、その北条泰時も他界している。泰時の息子の時氏は早逝したので、孫にあたる北条経時が執権だった。この時代に北条氏と対抗できる勢力は三浦氏だけ。山本耕史さんが演じた三浦義村は実朝暗殺の危機を逃れ、承久の乱でも活躍することで生き延びた。

 

この時代に義村はすでに故人で、息子の三浦泰村が一族をまとめていた。つまり北条氏にとっては、ちょっと厄介な三浦一族になりつつあった。実は戦争がなくても、徐々に分裂が進んでいた。

 

北条得宗家を中心に政治をまとめたい北条氏。

 

京都から迎えた将軍である三寅こと源頼経と中心とした、将軍による政治を望む三浦氏。

 

北条氏が先に手を打つ。頼経を京都に戻し、まだ幼い頼嗣を将軍につけた。つまり将軍を傀儡化しようという意図。もちろん三浦一族は反発した。三浦泰村の弟である光村は強硬派で、いつか頼経を迎えにいくとまで言い切っている。

 

そして執権の北条経時が病死した。後を継いだのは弟の北条時頼。のちに元寇を退ける北条時宗の父親。時頼が執権となった途端、三浦氏が不穏な行動を見せるようになった。ここでいつもの出来事が起きる。

 

つまり北条氏による三浦一族の謀反人扱い。ということで宝治元年に戦争が起きた。この戦いによって、三浦氏は事実上滅亡した。『鎌倉殿の13人』で集まった武家たちで、残ったのは北条氏だけになったという顛末。これによって北条得宗家による幕府の支配が決まり、この体制が足利尊氏の登場まで続いていくということ。

 

久しぶりに戦乱の記述を読んで、興奮してしまった。『吾妻鏡』も残すところ4冊になった。ここまで来たら最後まで完走しようと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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