60代でも何かを諦める必要はない
今年の3月、高校の同窓会が京都であった。ボクは参加していないけれど、200人近い人が集まったとのこと。なんと『還暦同窓会』という名目で、去年から今年にかけて還暦を迎えた同級生の集まりだった。
友人との電話で話を聞いていると、みんな60代でも頑張っているらしい。もちろん悲しいことや辛いことも数知れないだろう。亡くなった友人もいる。身体だって万全ではないから、病気を抱えている人も多いとのこと。それでも知人の活躍を聞くと、みんなすごいなぁと素直に拍手を送りたくなった。
現代の60代というのは、まだままだ人生を諦める年齢じゃない。自分の体調や生活環境に合わせて、新しいことにトライしていくべき。後ろ向きになる材料が増える分、それを乗り越えるだけの経験を積んでいると思うから。
そんな60代の人たちにとって、モチベーションを高める効果満点の映画を観た。想像していたよりはるかに面白くて、最後に感動でウルウルしてしまった。
2023年 映画#62
『リベンジ・マッチ』(原題: Grudge Match)という2013年のアメリカ映画。写真でわかるように、ロバート・デ・ニーロとシルベスター・スタローンが共演している。コメディ作品で、これがなかなかいい映画だった。引退したプロボクサーの役なんだけれど、二人ともボクシング映画で知られている。だからボクシングの素養があるので、試合のシーンはかなり迫力があった。
ロバート・デ・ニーロ演じるビリーと、シルベスター・スタローン演じるヘンリーは世界チャンピオンを経験したライバル。ヘンリーに敗れたビリーはリベンジ戦を企画。だけど30年前の試合直前、ヘンリーは電撃引退をしてしまった。それには理由がある。
ヘンリーの恋人が、ビリーと浮気をしてしまった。おまけに子供まで作った。それで怒り狂ったヘンリーは、引退することでビリーからボクシングを奪ってやろうとしたのが真相。それから30年が経ってしまった。
そんなある日、二人に仕事が舞い込む。テレビゲームのキャラとして採用されたことで、コンピュータ用デモ映像を撮影する仕事だった。金に困っていたヘンリーはビリーに会わないことを条件に仕事を受ける。だけどそこへビリーが登場した。そして二人は大喧嘩をする。
その喧嘩がネットのSNSで拡散されて炎上。その結果、二人はリベンジマッチをすることになった。最初の記者会見のときは世間の反応は低い。ところが二人が顔を合わすたびに喧嘩をすることで、一気に人気が沸騰した。そして満員の大会場で試合が開催されるという物語。
楽しい映画だったのでネタバレはやめておこう。すでに現役を退いた二人が格闘家として目覚めていく過程が最高。ヘンリーなんか完全にロッキーのパロディで、生卵を飲んだり、古タイヤを引っ張ったりしていた。ロッキーファンなら、思わずニヤリとするだろう。
人間ドラマも用意されていて、ヘンリーは恋人との復縁。ビリーはそれまで会うことのなかった息子との関係構築が描かれている。ややこしいのは、ビリーの息子の母親はヘンリーの恋人だったということ。この複雑な三角関係が笑える。恋人役を演じたキム・ベイシンガーが、還暦前の年齢なのに超綺麗なことにびっくりした。
さらにヘンリーのトレイナー役のアラン・アーキンが最高。そしてビリーの息子を演じたジョン・バーンサルもカッコよかったなぁ。何より死闘を繰り広げた主役の二人が素敵だった。10年前の作品だけれど、ボクたちの世代に生きる勇気をもらえる映画だと思う。
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