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高羽そらさんインタビュー

現代なら炎上確実の紫式部

NHKの大河ドラマは歴史の知識を深める絶好のチャンスだと思う。ドラマの登場人物が頭に浮かぶことで、関連書籍を読んでいてもその時代に起きたことを理解しやすい。これまではドラマを観た後、あるいは同時進行でその時代の書籍を読んできた。

 

例えば『どうする家康』をきっかけにして、山岡荘八さんの『徳川家康』の全巻読破が進行中。昨年の『鎌倉殿の13人』ではかなりの数の関連書籍を読んだ。今もまだ『吾妻鏡』の現代語訳を通読中。

 

ところが珍しいことに、来年の大河ドラマは予習をしている。来年のドラマの主人公は紫式部の『光る君へ』という作品。紫式部を演じるのは吉高由里子さん。たまたま昨年から電子書籍で与謝野晶子さんが訳した『源氏物語』を読んでいた。教養として知っておくべきだと思ったから。

 

最初は登場人物が多く、さらに呼称が出世とともに変わっていくのでかなり戸惑った。ところが全54帖を読み通してみると、想像していたよりはるかに面白い物語だった。そこで2度目にトライ。

 

そうすると今度は面白さが指数関数的に上昇した。呼称に慣れたのと、与謝野晶子さんの文体にリズムが合うようになったからだと思う。それですっかりこの物語のファンになったところで、来年の大河ドラマの主役が作者の紫式部。だったら予習しようということで、『源氏物語』の次に手にしたのがこの作品だった。

 

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2023年 読書#41

『新訳 紫式部日記』島内景二 著という書籍。来年の大河ドラマでは、『源氏物語』の一部もドラマとして描かれるそう。だけどドラマのメインは紫式部の生き様なので、まずは彼女の日記が最も効果的な予習だろうと思った。どうやらその判断は正しかったように思う。

 

これは最高に面白い日記だった。紫式部という女性はどちらかといえばネガティブな人だと感じた。かなりウジウジと思い悩むタイプで、清少納言と逆のタイプとして比較されているのがわかる。だけどネガティブながらも、人物の観察力が鋭い。そしてその表現がめちゃめちゃユニーク。

 

ボクは何度も笑いながらこの日記を読んだ。もし紫式部が現代人だったら、Twitter等で確実にインフルエンサーになっていたと思う。そして毎日自分の感想を呟いては炎上しているだろうと思う。だって好き放題に書いているんだからねwww

 

紫式部が女房として仕えていたのは藤原彰子という一条天皇の中宮。彼女の父は摂関政治を完成させた藤原道長。それゆえ紫式部の日記には、道長がレギュラーのように登場する。ボクの抱いていたイメージと違って、道長が子煩悩で、孫ができたときには優しい祖父として紫式部の目には映っていたらしい。権力争いに勝ち抜いてきた人物なのに、素顔の道長はかなりダンディで素敵な男性貴族だった。

 

この日記を読むと、紫式部と藤原道長とに男女の関係があったのを確信できる。紫式部自身は否定も肯定もしていないけれど、文章からその事実を読み取ることができた。正室の手前もあるから、あまりはっきりと書かなかっただけだろう。

 

ボクが笑ったのは、紫式部の他の女房たちに対する批評。あるいは過去に威張っていた女性を見つけ、落ち目になったその女性に仲間とつるんでイジメ的なことをやった場面。その首謀者が紫式部だった。

 

有名な話として知られているけれど、清少納言に対する批判は憎しみさえ感じる。あそこまで言わなくてもいいだろう、と思ってしまうほど。つまり紫式部は清少納言の才能を見抜いていた。それゆえ必死になって攻撃したのだろう。

 

『源氏物語』の光源氏については、完全に架空の人物だと言い切っている。だけどあえてモデルと探すとしたら藤原道長で、光源氏の息子である夕霧は道長の息子の藤原頼道になる、と紫式部自身が語っていた。それ以外にも『源氏物語』の元ネタのような実話がいくつかあった。

 

この日記を読むのなら、まずは『源氏物語』を読んでからの方が百倍は楽しめる。紫式部はとても魅力的な女性だと思う。吉高由里子さんのイメージにぴったりのような気がする。さてこうなったら次は紫式部にボロクソに書かれていた清少納言の『枕草子』を読むとするか。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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