Apple銀行は『黒船』になるかも
ゴールデンウィーク直前の4月28日、銀行のATMには長蛇の列ができていた。実質的な月末でもあるし、ゴールデンウィーク中の現金を引き出しておこうと考える人が多いからだろう。そういえば郵貯ではゴールデンウイーク中にATMが使えないというCMをやっていた。
ボクはそんな行列を傍目で見ながら歩いていた。そしてあることを想像していた。もしかしたらこんな風景が見られるのは、ここ数年のことかもしれない。
フィンテックという言葉に象徴されるように、IT技術を応用した金融革命が起きている。海外ではキャッシュレスが普通になっていて、これまでの銀行の在り方が問われている。さらにアメリカにおいて銀行破綻が続いていることで、この先もその動きが止まりそうにない。そんな流れを証明するかのような出来事が起きている。
先日このブログでも触れたけれど、Appleが預金サービスを開始した。Apple CardとiPhoneを所有しているアメリカ在住の人なら、Appleで普通預金口座を開くことができる。驚くのはその金利。現在では考えられない4.15%という高金利でサービスを始めた。
実質的に運営しているのは金融大手のゴールドマン・サックスなんだけれど、このゴールドマン・サックスが提供している金利よりもAppleの方が高い。当然ながら口座を開く人が殺到して、4日間で約1360億円の入金があったとのこと。そしてその勢いは続いているらしい。
Appleにすれば新株式を発行したようなもので、一気に大量の資金が流入することになる。それをどのように運用するのかわからない。でも4.15%という金利をつけたのは、この資金を運用してそれ以上の利益を上げる目算があるからだろう。すごいよね。
おそらく既存の金融機関は戦々恐々という感じに違いない。それは日本でも同じで、このサービスが日本でスタートすることを警戒しているだろうと思う。もし日本で始まれば、ボクだって本気になって検討する。
もしかしたらこのAppleのサービスは、日本の幕末の『黒船』のようなことになるかも。既存の金融機関に関する固定概念を吹き飛ばし、全く新しい世界を提示してくるような気がする。日本にとって『金融維新』になるかもね。しばらく注目しておこう。
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