無理ゲーな明晰夢の実験
ある研究機関の実験が紹介された記事を読んで、すぐに無理ゲーだと思った。明晰夢に関する研究なんだけれど、根本的な理解が欠如している。
寝ている人とコミュニケーションを取るための「言語」が開発されている
この研究機関が意図したのは、寝ている人とコミュニケーションを取ること。そこで注目したのが、夢を見ていることに気づいている明晰夢。
明晰夢を見ることができる人に、顔の筋肉を動かす練習をしてもらう。それで情報を3文字以下の単語で転送することができるようにトレーニングする。そして実際に明晰夢を見てもらって、研究者に情報を送ってもらおうという実験。
意図としては面白い。体験している夢の世界をリアルに報告できたら素晴らしいと思う。だけど結果として失敗している。精度が圧倒的に低い。その理由として、この研究機関は「人々が顔の筋肉を1つだけ使うのは難しいということです。人は意図せず複数の筋肉を緊張させてしまい、筋電図センサーがすべて検出してしまうのです」と述べている。
確かにそうかもしれない。だけど最初に書いたように、明晰夢という現象に対して理解が不足していると思う。この実験の何が無理ゲーなのか。数えきれないほど明晰夢を体験しているボクの意見を述べよう。
明晰夢を見ているとき人間の意識は、肉体との共鳴が一時的にミュートされている。あまり詳しく書くと本を1冊書かないといけないので、簡単に説明しよう。人間の肉体は物理的にはひとつに見える。だけど実際は複数の肉体がレイヤー状になっている。それぞれの肉体の振動数が違うので、他の肉体からは知覚できないだけ。
明晰夢を見ている人は「自意識」が肉体との共鳴を解除して、別の振動数の肉体と共鳴している。物理事件に影響されない肉体と共鳴しているから、空を飛んだり、壁を抜けたり、見ている世界を変えることができる。映画の『インセプション』の世界観と同じ。
つまり使用している肉体が物理次元のものではないので、動かそうとしても思うように動かせない。それでも強靭な精神力で顔の筋肉を動かしたとしよう。するとどうなるか?
『明晰夢から覚めてしまう』
無理やりに物理次元の肉体を動かすことで、他のレイヤーと共鳴していた「自意識」が肉体との共鳴を復活させてしまう。そもそも日常的に繋がっている肉体なので、きっかけがあればすぐに戻ってしまう。明晰夢を見ている最中に興奮すると、肉体からアドレナリンが出る。それだけでも夢から覚めてしまう。
だから夢を見ている人が、リアルタイムで起きている人にコミュニケーションを取るのは難しい。不可能ではないけれど、高度なスキルとトレーニングが必要だと思う。つまり無理ゲーだということだね。
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