世界のSEX事情あれこれ
しばらく仕事に集中していたせいで、周回遅れとなっていた大河ドラマとNHKの朝ドラ。今日の午後、一気に観てようやく追いついた。読書のペースも、そして映画鑑賞のパターンも戻りつつある。明日からは通常ヴァージョンで過ごせそう。
そんな状況でも、ボチボチと図書館で借りていた本を読んでいた。昨日久しぶりに紙の本を読了。リスタートとしては気軽に読める楽しい作品だった。
2023年 読書#47
『ひとりな理由はきかないで』リズ・タシーロ著という小説。少し前、『ワタシが私を見つけるまで』というダコタ・ジョンソンが主演した映画を観た。ロマンティック・コメディ作品で、なかなか面白かった。それで原作のこの小説を読んだ。
著者のリズ・タシーロは『SEX AND THE CITY』のエグゼクティブ・ストーリー・エディターで、映画にもなった『そんな彼なら捨てちゃえば』という原作の共著者でもある。それだけでこの作品の雰囲気が想像できる。
映画のイメージで読み始めたけれど、内容は全く違う。はっきり言って別の作品だと言っていい。ドリュー・バリモアが最初は監督をする予定だったそう。ところが降板しているところを見ると、原作の変更に納得できなかったのかな?
これは確実に原作の方が面白い。映画はよくあるドタバタ恋愛映画という感じ。もし原作どおりに作ろうと思ったら、世界中でロケをしなくてはいけない。それで原案的な扱いになったんだと思う。
小説のメインとなるのは37〜38歳独身女性の生き方。結婚もしたいし、子供を産むにも肉体的な期限が迫っている。そんなアラフォー世代の5人の群像劇のような構成になっている。登場人物だけを紹介しておこう。
ジュリー:この小説の語り手。出版社の広報担当で、独身女性をリサーチするため、世界中を旅する。
ジョージア:バツイチの2人の子持ち。恋愛経験が乏しい
アリス:弁護士だけれど、結婚相手を探すために仕事を休職。
セリーナ:セレブお抱えのベジタリアン・シェフ。
ルビー:フリーランスの人材スカウト。失恋のたびに落ち込んで鬱となる。
ジュリーが著作のために世界の独身女性を取材する。はっきり言って、世界のSEX事情あれこれという内容。でもお国柄が出ていてとても面白い。
フランス、イタリア、ブラジル、オーストラリア、バリ、中国、インドといった国々の独身女性の現状や男性関係がドラマとして描かれている。それと並行して、他の4人のアメリカでの物語が展開する。
ラストは全員がアイスランドに集合して結末を迎える。なんてことない作品なんだけれど、国によって恋愛観や結婚観の違いがわかって面白い。特に日本人のボクにすれば自由奔放な世界で、「ようやるなぁ」というのが本音。
でも5人の経験がドラマとして完成されていて、とても素晴らしい作品だった。どうせならこの原作に沿って映画化してほしかったなぁ。
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