鎌倉時代のヒーローが生まれた
ここのところ目立った活動のなかったマルーン５が久しぶりにシングル曲をリリースした。『Middle Ground』というタイトルで、2021年以来の新曲になる。
アダム・レヴィーンによると、「とてもスペシャルなものを出そうとしているんだ。久しぶりに最高のものができたと思う。言えるのはそれだけだね」とのこと。近いうちにニューアルバムが出るのかな？ 楽しみに待っているとしよう。ということで新曲をリンクしておく。
さて、昨年の大河ドラマである『鎌倉殿の13人』をきっかけにした読書をまだ続けている。吉川英治さんの『新・平家物語』は大長編なので、毎朝少しずつ読んでもすでに１年以上が経過した。それでもまだ平家は屋島にいて、義経はようやく荒海を乗り越えて淡路島に渡ろうとしているところ。
そしてすでにドラマの時代ははるか過去になったけれど、まだ引き続き読んでいる作品がある。それでも16巻のうち13巻まで読了した。
2023年 読書＃52
『現代語訳 吾妻鏡13 親王将軍』五味文彦、本郷和人、西田友広 編という書籍。鎌倉幕府の公式文書である『吾妻鏡』の現代語訳を読破中。
今回は建長２年（1250年）〜建長４年（1252年）までの記録が掲載されている。北条氏が幕府内での権力を確実にしていった時代。第12巻で北条氏は、鎌倉幕府の創設以来協力してきた三浦氏を滅ぼしている。北条氏が実権を握る執権政治に対して、将軍を中心とする政治権力を築こうとする三浦氏と衝突したから。
そしてこの13巻ではさらに北条氏の権力掌握が顕著になった。この時代の執権は北条時頼で、昨年のドラマの主人公だった北条義時のひ孫、つまり北条泰時の孫にあたる。2001年に放送された『北条時宗』という大河ドラマでは、渡辺謙さんが演じていた。
この時代の政治的な出来事で重要なのは、将軍の頼嗣が更迭されたこと。頼嗣は前将軍だった頼経の息子で、頼経は北条義時が存命だった時代に三寅と呼ばれていたのは、ドラマを観ていた人ならわかるはず。３代将軍の実朝が暗殺される前、後継が生まれないことで鎌倉へ下向したのが頼経だった。
頼経は承久の乱の後に実験を握った藤原道家の息子で、北条氏としても都合がよかった。頼朝の血も混じっているので将軍としても問題ない。ところが三浦氏とのいざこざで、この血筋の将軍の更迭を考えていたんだろう。藤原道家が死去したとたん、将軍の首をすげ替えている。
この時代に将軍となったのは、なんと後嵯峨天皇の親王である宗尊だった。ついに天皇の息子が将軍となったことで、北条氏の傀儡将軍であることがよくわかる。これで北条得宗家は安泰だということ。そんな北条得宗家に朗報が続いた。
建長３年（1251年）に北条時頼に息子が生まれた。長男はいたけれど、側室の子供だったので後継者となっていない。後継者として生まれたのは北条時宗。元寇という日本の危機を救った鎌倉時代のヒーロー。彼がいなければ、現在の日本はどうなっていたかわからない。
この時代で最も大きな出来事は、時宗の誕生だと言えるだろう。ちなみに2001年の大河ドラマの記憶がいまだに残っているので、北条時宗の顔がどうしても和泉元彌さんになってしまう。映像の影響は強いよなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
