G7が中国に送ったメッセージ
先週はG7一色だった日本。広島在住の人や警備にあたった警察官の人は大変だったろうと思う。とにかく無事に終わってよかった。
日本を含めて世界中のメディアが報道しているように、ここ近年では大成功に終わったG7だったと思う。特にウクライナのゼリンスキー大統領が来日したことの意義は計り知れない。被爆地の広島がサミット会場となったことで、戦争犯罪国であるロシアに強いメッセージを送ることができたと思う。
ところがサミットの開催中、そし終了直後に反応したのがロシアではなく中国。21日には日本の垂秀夫駐中国大使を呼び出して抗議している。ただ大使が毅然とした態度でその抗議を退けたのは素晴らしかった。とにかく中国は怒っている。その理由がわかりやすく書かれた記事を読んだ。
そりゃ激怒するわけ、G7が団結して中国に突きつけたNOの中身
サミットの宣言内容が詳細に解説された良記事。中国に対する飴と鞭の匙加減が効果的だったと思う。
会議の冒頭では中国に対する友好的な態度を示していた。「中国と建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある」と述べ、「中国と協力する必要がある」と表明されている。これはヨーロッパの中国依存の影響を考慮したものらしい。
ところが中国の南シナ海における拡張戦略に対しては強い言葉で非難している。
「南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠かない」
「我々は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する」
さらに台湾問題に関しても、
「我々は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認する。台湾に関するG7メンバーの基本的な立場に変更はない」と表明した。これらのメッセージに対して、中国は内政干渉だと抗議している。
今回のサミットが効果的なのは、G7以外にインド、オーストラリア、韓国、ベトナムを招待したこと。世界のGDPトップ10カ国のうち、中国以外の国が広島に集まったことになる。あえて中国は招待されていないということ。
これは東アジアにおいて、中国包囲網の存在をアピールする意味があると思う。つまり中国が台湾を含めた近隣諸国に武力行使をすれば、ロシアの二の舞になるというメッセージだろう。強大な軍事力を使って侵略を考えている国家に対して、通常の対話など意味をなさない。行動を起こせば後悔するぞ、という明確なメッセージが重要だと思う。
来年になれば台湾総統選挙が実施される。その結果によっては、中国は本気で動くはず。だからこそアメリカやNATO諸国と協力しつつ、東アジア諸国が結束する必要があると思う。そういう意味で、効果的なサミットだったと思う。
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