「宇宙人の証拠」は徒労に終わる
先日『NOPE』という宇宙生物が人類を襲うという映画を観た。宇宙人関連の映画は数えきれないほど作られている。そうした宇宙人作品は、大きく分けて3つあるように思う。
一つは友好的な内容で、『未知との遭遇』に象徴される人類と宇宙人の交流を描いたもの。
もう一つは宇宙人による侵略を描いた作品。『宇宙戦争』や『プレデター』が有名。
そして最後の一つは、宇宙を舞台とした紛争を描いた作品。『スターウォーズ』や『スタートレック』がその代表。
これらはあくまでもフィクションの世界。もし近い将来、人類が宇宙人と遭遇するとしよう。だとしたらこの3つのどのパターンになるだろう?
ボクはどれもあり得ないと思っている。それは天文学者たちの苦労を見ているとわかる。
天文学者たちは研究の過程で、宇宙人の存在を感じる出来事に遭遇することが多いそう。リンク先の記事ではそれらが紹介されている。ジョディ・フォスターが主演した『コンタクト』という作品は、そうした宇宙からの信号がテーマになった映画。でもやはりフィクションだけの世界。
現実で「宇宙人の証拠」だと思われたことは、ことごとく否定される結果に終わっている。
・火星の人工物だと思ったものは、地質学的な自然の営みの結果だった。
・宇宙からの信号だと思ったものは、回転する中性子星が発する周期的な電磁波の閃光だった。
・電波望遠鏡で受信した72秒の信号は、彗星による水素雲が生み出しだものだった。
・謎の電波信号だと思われていたものの正体は、宇宙からのものではなく電子レンジによるものだった。
というような実例がリンク先の記事で紹介されていた。面白く読みながらも、現実は映画のようにはいかないと感じた。なぜなら宇宙人の存在証拠を物理的に集めることに無理があるから。
文明の存在を予測できる程度のデータなら得られるかもしれない。だけど実際に宇宙人たちと顔を突き合わせて接触できるのは、現状の地球においては難しいと思う。
太陽系外から地球へとやってくる宇宙人がいたとしよう。それが可能となる科学技術を有しているということは、地球人よりはるかに進化しているのは事実。そんな宇宙人を映画に沿って分類すれば、友好が目的か、侵略が目的かの二つに分かれるだろう。
友好が目的だとすれば、現在の人類に接触するのを避けるはず。進んだ科学技術は奪い合いになる。現状の世界情勢を見渡した場合、どの国に接触しても戦争の火種にしかならない。それが見え見えの状況だから、進化した宇宙人が人類に物理的接触をすることなど絶対にない。
もし侵略が目的だったすれば。とっくの昔に地球は占領されている。人類は抹殺されるか、奴隷化されているだろう。地球までやってこれる科学力があれば、軍事力で人類を圧倒できるはず。
要するに宇宙人の存在を証明する物理的証拠が見つからないのは、人類以外に宇宙人は存在しないか、あえて隠れているかのどちらか。その理由が前者か後者なのかは、地球上から国家的な紛争が消滅した時に初めてわかるだろう。つまり現状の地球において、宇宙人の証拠探しは徒労に終わるということ。
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