面倒が起きそうなAIグラドル
TwitterやInstagram、あるいはTikTok等で画像や映像を見ていると、どうしても気になってしまうことがある。それらが本物かどうかということ。
AIや画像加工のアプリ等が進化しているので、フェイク画像かどうか簡単に見抜けない。つい先日も、アメリカのペンタゴンが攻撃されたというフェイク画像が拡散されて、一時的なドル安になったことがある。
可愛い動物の画像や、美人の動画を見て癒されている分にはどちらでもいい。本物かどうかはたいした問題じゃないから。だけどそうしたフェイク画像を使って、金儲けをしようとする連中は絶対に出てくる。悪質なデマも流されるだろう。そう考えると、偽物の存在を看過できなくなる。
“実在しない”19歳港区女子のTikTokが100万回再生 増加する「AIインフルエンサー」の危険性と課題
リンク先の記事を読むと、フェイク画像が無視できないことがよくわかる。TikTok等では「AIインフルエンサー」というものが増加しているそう。実在しない女性の動画が100万回も再生されるようなことが起きている。そして何万人単位のフォロワーも集めているらしい。
AIの画像をアップして、30キログラムのダイエットに成功したというような記事もあるそう。実際にその画像を見ると、本物かどうか区別できない。その記事を通じて特定のサイトへと誘導するのは簡単だろう。詐欺の温床になっても不思議じゃない。
もし組織的にそうしたアカウントが運営されたら、反社会的勢力の資金源になる可能性がある。特定の政治組織、あるいは宗教組織に悪用されることも考えられる。さらにこんな問題もあるそう。
週刊プレイボーイのAIグラドルが実在女優にソックリ!?肖像権や著作権はどうなるのか
男性には馴染み遣い「週刊プレイボーイ」という雑誌。巻頭には大抵美女のグラビアが掲載されている。ところがそのグラビアに、あえてAIグラドルが使用された。もちろんAIであることは明記されている。これが常態化すれば、モデルさんやグラビアアイドルにとっては死活問題だろう。
それ以上にトラブルになりそうなのが権利関係。AIは既存のデータを学習することで画像を生成する。ところがその画像が実在のタレントに似ているは場合はどうなるのか? リンク先の記事ではそのことが懸念されている。
実在するタレント側にすれば、肖像権の侵害になりかねない。アメリカでは許可なくAIによる学習データに使用されることに関して、著作権侵害だという訴訟が起きている。基本的に規制する方向らしい。
ところが日本の法律では、今のところは野放し状態とのこと。AIに関する学習データは許可なく勝手に使っていいい。だから自分にそっくりのAIグラドルが人気になっても、肖像権の侵害だと認められない可能性が高い。
とにかくしばらくは面倒が起きそうなAIグラドル。相当大きな事件でも起きない限り、法改正は進まないんだろうなぁ。ボクたちとしてはフェイク画像を楽しむのはいいけれど、詐欺に遭わないよう自衛するしかないということかも。
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