ベーシックインカムへの道は遠い
ボクはベーシックインカム賛成派。ベーシックインカムの導入は、メリットがデメリットをはるかに上回ると思う。
超高齢化社会によって破綻寸前の年金制度や、支給に関して不公平感が否めない生活保護。そうした制度を全て解体することで、ベーシクインカムの原資に当てることが可能だと思う。
ベーシックインカムの最大のメリットは経済格差の是正。犯罪原因として貧困は無視できない大きな要素。だからベーシックインカムによって一定の収入が保証されることで、犯罪率の大幅な減少が期待できる。その流れで警察や司法に関わる犯罪関連の予算も削減できるはず。
さらに貧困を起因としたストレスも減少する。だから心を病む人が減り、自殺率も低くなると思う。子育て支援にも寄与するので、少子化対策としても有効だろう。
単純労働等はAIに移譲していけばいい。IT技術の進化は、ベーシックインカムの導入を後押ししていると思う。それなのになかなか導入が進まない。数年前は社会実験をしている国がいくつかあったけれど、ここのところあまり見聞きしなくなった。ところがイギリスが新たな動きを見せた。
月間28万円のベーシックインカムをイギリスが2年間試験導入へ
イギリスで月額1600ポンド(約27万8500円)を2年間にわたって支給するテストが行われることになったそう。どのような試験導入なのか、リンク先の記事から抜粋してみよう。
『テストはイングランド北東部・ジャローとロンドンの北にあるイースト・フィンチリーの2つの地区で、ボランティアの中からランダムに選ばれた30名を対象に行われます。対照群として、ベーシックインカムが支給されないグループも設けられます』
この研究の責任者によると、「人々が無条件の一時金を得たときに、働くかどうかにかかわらず、身体的・精神的健康にどういった影響を受けるのかを確認したいと考えています」とのこと。
さらに、「ベーシックインカムが保証されれば、この国の福祉が一変する可能性があります。先行研究から、ベーシックインカムは貧困を直接的に緩和し、何百万人もの人々の幸福を高めることを示しています。潜在的な利益は無視できないほど大きいのです」と述べている。
小規模な試験導入だけれど、導入に向けた有意義なデータが出ることを期待したい。過去の試験導入によると、ベーシックインカムが支給されても労働意欲が落ちないことがわかっている。むしろ収入の心配がない分、人は本当にやりたいことに向かっていくだろうと思う。
ただベーシックインカムには大きな問題がある。これが解決しないと、本格的な導入は難しい。
その問題とは『ベーシックインカムの支給範囲』
例えば日本でベーシックインカムが導入されたとしよう。日本国籍がある人には支給されるだろう。慎重な判断が求められるのは、外国籍の人たち、あるいは移民や難民の人たちに支給するかどうかということ。
ベーシックインカムが、世界一斉に同じ条件で導入されることはあり得ない。だからもし日本で導入した場合、外国籍であっても住民登録をしていればベーシックインカムが支給されるとすれば、その結果は想像できるはず。
支給を求めて、大勢の外国人が日本へ流入してくることになる。これはかなり厄介な問題。と言って日本国籍に限定すると、さらなるトラブルが想定される。日本でさえ難しいなら、移民や難民、あるいは二重国籍の人が大勢いるヨーロッパやアメリカでは支給範囲を定めるのはもっと大変。
この国際問題が解決されないと、ベーシックインカムの導入は難しいだろうなと思ってしまう。
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