独裁者を失脚させた民衆の怒り
21世紀になって20年も過ぎているのに、この世には独裁者と呼ばれる元首が存在している。代表的なのがロシアのプーチン大統領、そして中国の習近平国家主席だろう。もちろん独裁者と言っても、両者の背後には後ろ盾となる組織があるはず。
陰謀論者の人なら、そうした闇の組織が二人を独裁者に仕立てているだけの傀儡だと言うかもしれない。そんな陰謀論に同意するつもりはない。だけど百歩、いや万歩譲って闇組織の傀儡だとしても、彼らの名によって国民や周辺国に圧力をかけている限り独裁者と呼んでいい。少なくも民主的な国家ではない。
あるドラマでは、同様の国としてベネズエラを舞台にしてきた。もちろんフィクションだけれど、ベネズエラという国家の現状を感じさせるドラマだった。
2023年 映画#84
『トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン』(原題:Tom Clancy’s Jack Ryan)・シーズン2:エピソード8『独裁者』という2019年のアメリカドラマ。前回までの感想については『変化に抵抗はつきもの』という記事に書いているの参照を。
ジョン・クラシンスキー演じるジャック・ライアンのドラマを追いかけ中。この回でシーズン2が終了した。シーズン1以上に面白い内容で、とてもドラマだとは思えない迫力の映像を楽しむことができた。
ジャックの友人である議員を暗殺した黒幕は、ベネズエラのレイエス大統領。前回でその証拠となる収容所に向かったが、拉致されていた元上司のグーリアは宮殿に連れ去られた後だった。
ジャックはその収容所の様子を動画で撮影した。大勢の政治犯が収容されていて、その一部は処刑されていた。ジャックがその動画をマスコミ各社に送ったことで、再選を狙っていたレイエス大統領は焦る。報道を見た民衆が怒り狂ったから。このままでは対立候補のグローリアが当選してしまう。
レイエス大統領は自分が当選したと宣言して、軍事力を使って選挙を中断させた。その混乱を狙ってジャックは特殊部隊と共に大統領の宮殿に向かい、グーリアを助け出した。その場面が先ほどの写真。
グーリアを助けたあと、ジャックは大統領を殺しに向かう。友人議員の敵討のため。だけどCIA支局長のノーベンバーに止められて、なんとか思いとどまる。どんな事情があっても主権国家元首を殺すことは、国際法上許されないことだから。
だけどレイエスに鉄槌がくだる。ジャックが去ったあと、民衆のデモ隊が宮殿に押し寄せた。そして兵士たちを薙ぎ倒し、宮殿に入り込んだ。映像では明かされていないけれど、あの状況ならレイえすは民衆になぶり殺しにされているような気がする。とにかく女性候補のグローリアが新大統領に選ばれた。
これで一件落着のように思うけれど、ジャックはレイエス大統領の背後に黒幕がいると睨んでいた。それもアメリカの議員。前もっての仕掛けが功を奏して、ジャックはその議員を暴く。正体がバレた議員は、ジャックを買収しようとした。だけどジャックは鼻にもかけない。
彼がその議員の前を去った後に、駆けつけたFBIが議員を逮捕するという結末だった。議員は中国の影響を弱めるため、レイエスを背後から援助していた。その過程で、邪魔になるジャックの友人を殺したのが真相だった。このドラマを見て思った。やっぱり現状のロシア政府の暴挙を止めることができるのは、ロシア国民しかないと思う。民衆の怒りほど怖いものはない。
ということで次回から今年になって公開されたシーズン3に突入。ようやく最新作のジャックに会えるのでワクワクしている。
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