世界大戦を起こさないために
歴史から学べることは多い。ただその学びは形骸化していて、現実世界で生かされることが少ない。それは戦争の歴史を見ればよくわかる。
悲惨な戦争が終わりを迎えた時、誰もが戦争の悲惨さを身にしみて感じている。そして2度と戦争が起きないようにと、歴史から学ぼうとしてきた。なのにこれまで2度も世界大戦が起き、現在もウクライナで戦争が継続している。
映画や小説を通じて感じたのは、2つの大戦前夜における人々の楽観的な態度。きな臭い匂いを感じていても、本当に戦争が起きると思っている人は意外に少ない。だから世間の人たちは戦争が勃発して初めて、ようやくことの重大さに気づく。
そして現代においても、常に世界大戦の危機が眼前にある。だけど先進国の多くの人にとって、その危機は人ごとでしかない。それはボクも同じだろう。だけど現状における戦争の当事者は、その危機を本気で実感している。
数日前に報道されたウクライナ大統領のゼレンスキー氏の発言。もしウクライナが戦争で敗れたなら、ロシアはポーランドやバルト3国に迫り、第三次世界大戦に発展しかねないと述べている。
「プーチンを食い止めるか、世界大戦を始めるか、全世界が選ばなければならない」
もちろんこの発言は、西側諸国に対してウクライナへのさらなる援助を求めるための布石だろう。だとしても、これは本当に考えられること。もしロシアがポーランドに対して軍事行動を起こせば、それはNATOへの宣戦布告になる。世界大戦の危機は、常に目の前にある。
ただこの発言には、もっと大きな意味が含まれていると思う。そしてそれは東アジアにおいても無視できることではない。
もしロシアが勝利すれば、武力で他国を侵略することが正当化されてしまう。その事実を追い風にしようとする国はすぐに思いつく。例えば中国、そして北朝鮮。ウクライナへの軍事侵攻がもたらす結果は、中国による台湾への武力行使に大きく影響する。
もしウクライナが負ければ、ヨーロッパ、そして東アジアにおいて同時に戦争が始まるかしれない。当然ながら同盟国を巻き込み、世界大戦になるのは避けられない。それゆえゼレンスキー大統領の発言は重い。
世界は絶対にプーチンに勝利を与えてはいけない。他国への軍事侵攻が割に合わないことを、全人類の総意として発信していくべき。ウクライナの敗北は、人類の良心の敗北と同じだと思う。
<お知らせ>
最新刊の『夢体脱』が全国の書店、並びみAmazon等のECサイトで販売中です。2012年に出版した『夢で会える 体外離脱入門』は、非物質世界の存在に『会う』ことがメインテーマでした。
でも『夢体脱』ではその出会いをどのようにして実生活に活かしていくかをテーマにしています。旧作を読んだ方にも新しい洞察が得られる内容になっています。是非ともよろしくお願いします。
Amazonでは単行本と同時に、Kindleの電子書籍でも購入していただけます。こちらからどうぞ。
ハート出版さんのサイトでも『夢体脱』の概要をご覧いただけます。こちらからどうぞ。
ブログの更新はFacebookページとX、並びにThreadsで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする