悪役を主人公にする弊害
今日の午前中にマンションの排水管清掃が終了。これに合わせて昨日に大掃除を終わらせたので、ようやくほっと一息つけるかな。日々生活をしていると、どうしても面倒なことって出てくる。掃除などはその典型的なもの。
部屋が散らかり放題でも気にならない人はそれでもいいと思う。ボクも20代の頃まではそうだったから。だけど掃除が気になるのなら、意を決して行動するべき。面倒だけれど気になるものを放置していると、本当にやりたいことに集中できなくなるからね。
さて、とても面白い映画を観た。ただ主演した俳優さんのキャラのせいで、少し複雑な気持ちになってしまった。
2023年 映画#179
『アメリカン・ギャングスター』(原題: American Gangster)といいう2007年のアメリカ映画。監督はリドリー・スコットで、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの主演。最初から最後まで目が離せない素晴らしい作品だった。
1968年のニューヨークが舞台で、実在した麻薬王を描いた作品。フランクはギャングのボスの運転手だったが、ボスが死んだことで麻薬ビジネスに手を染める。フランクを演じるのはデンゼル・ワシントン。
フランクの商売はあっという間に大成功を収める。ベトナム戦争の真っ最中で、親戚を通じて東南アジアから純度100パーセントのヘロインを輸入した。輸送するのは買収されたアメリア軍の兵士たち。そのうえフランクは派手な生活を慎み、警察に疑われるような行動を一切取らなかった。
もう一人の主人公はラッセル・クロウ演じるリッチーという刑事。真っ正直な男で、どんな賄賂にも手を出さない。ところがこの当時の警察は汚職警官の巣のようになっていた。それゆえ信頼する部下を集め、リッチーは特別麻薬取締局の指示で新しい捜査班を作った。
結論から言えばベトナム戦争の終了によって、フランクは輸入の手段に困った。そこから綻びが生じ、最終的にフランクはリッチーに逮捕される。ところがこの映画はそこで終わらない。リッチーが本当に逮捕したいのは汚職警官たち。
フランクの協力によって大量の汚職警官が逮捕される事態となった。これによってフランクは大幅に減刑されて1990年代には出所している。
ただ気になったのはデンゼル・ワシントンが悪役に見えないこと。彼がどれだけ残虐なことをしても、どこかに誠実さを感じてしまう。これは彼のキャラなので仕方ない。だけどやっていることはかなりヤバい。
これは注意しないと悪事を賛美する映画になってしまいかねない。主人公に共感することでこの程度の犯罪は大丈夫、いや、カッコいいと思う人が出てくるかもしれない。フィクションと現実の切り分けができない人は一定数いるからね。
デンゼル・ワシントンが主演している『イレイサー』シリーズ、あるいはキアヌ・リーブスが主演している『ジョン・ウィック』シリーズでも同じことを感じる。主人公は理不尽な暴力への対抗や、正当防衛によって戦っている。だけどその殺し方はかなり残虐。
これって紙一重の怖さがあって、フィクションとして見られない人にとっては殺人を賛美する物語になってしまう。悪役を主人公にする映画は面白い。だけど難しい一面もあるなぁと、この映画を見て改めて感じた。
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