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高羽そらさんインタビュー

死ぬ日まで絶対に死ねない

今日の17日は祇園祭の山鉾巡行の前祭。暑さも例年に比べたらマシで、比較的恵まれた気候だったと思う。ところが鶏鉾の車輪が破損するという珍しいトラブルがあったらしい。疫病退散を祈願したお祭りだけに、ちょっと縁起が悪いよね。神様からの注意喚起だと思った方がいいのかも。

 

さて、話はいつも通りいきなり変わるけれど、ボクは運命論を支持している。運命論については『時間』の本質について考えると理解できる。その運命論がもたらす帰結は、「人間には自由意志がない」ということ。

 

このことについては、いずれ詳しく述べる機会があると思う。とにかく「自由意志」がないということは、人間の死生観に大きな影響を及ぼす。運命論の背景にあるのは、すべてが必然であり、起きるべきことはあらかじめ決まっているという考え方。つまり自分の死ぬ日は、生まれる前から決まっていることになる。

 

この運命論に従えば、どれだけ全力で死のうとしても、「死ぬ日までは絶対に死ねない」ということ。そんな苦笑するような出来事をテーマにした物語がある。

 

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2024年 読書#62

『幸せなひとりぼっち』フレドリック・バックマン著という小説。

 

ボクがこの物語に初めて出会ったのは、トム・ハンクス主演の『オットーという男』という2022年のハリウッド映画。本当に面白く、そして感動で泣ける作品だった。

 

この映画がリメイクであることを知り、2015年に公開された『幸せなひとりぼっち』というスウェーデン映画も観た。その作品はハリウッド版よりもさらに素晴らしくて、ボクも妻も本気で泣いた。そしてようやくその映画の原作であるこの小説を読了した。

 

ハリウッド版ではオットーという高齢男性が主人公。でも原作やスウェーデン映画ではオーヴェという名前。大勢の人にこの素敵な物語の感動を味わって欲しいので、できる限りネタバレしないように紹介しよう。

 

オーヴェは最愛の妻を病気で亡くした。もう生きていく意味を感じない。会社もクビになった。それで自殺しようと決意する。首吊り、排ガス自殺、列車への飛び込み、そして銃による自殺までトライする。でもその度に邪魔が入り、それどころか彼の意図に関係なく人助けをしてしまう。

 

ボクから言えはオーヴェの死ぬ日は決まっている。そして彼がこの世に生まれた使命を果たさない限り死ぬことはできない。そのことを証明するかのように、彼は結果として大勢の人、そして猫まで幸せにしてしまう。でもそれは彼自身が、それらの人たちや猫に救われたとも言える。

 

とにかく本当に素敵な物語なので、オススメのパターンを紹介しておこう。まずはトム・ハンクス主演の『オットーという男』を観よう。ハリウッド映画なので親しみやすく、かなり偏屈なオットーという老人をトム・ハンクスが見事に演じているから。

 

その次にはスウェーデン版の映画を観てほしい。これは本当に素敵な作品。原作に忠実だけれど、ハリウッド版にも原作にもない素敵な演出が感動の涙を誘う。

 

オーヴェが最愛の妻であるソーニャと出会った若い頃の場面、そしてオーヴェが死を迎えてあの世で妻のソーニャと再会したシーンがリンクするという演出。今思い出しても涙が出てくるほど感動的なシーン。

 

そして最後に原作を読むと、オーヴェ、ソーニャ等の登場人物の人生をより深く感じることができる。フィクションだけれども、人間が「死ぬ日までは絶対に死ねない」という事実の本質を感じられる作品だと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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