夫の記憶が消えた妻の実話
9月も後半に入ろうとするのに夏の暑さが残っている。といっても今日の神戸は午前中に雨が降って雲の多い1日だったせいか、最高気温は32度台で止まっている。でも平年なら30度に届くかどうかなので、やはり異常気象なのは間違いない。京都市なんか今日も猛暑日だからね。
でも次の週末あたりからは平年並みに戻りそうなので、少しは過ごしやすくなるだろう。秋のお彼岸に猛暑日なんてシャレにならないからね。汗だくになる買い物はあと2回くらいかな。今年はそれで終わりにしてほしい。
さて、実話を元にした映画なんだけれど、人間の「自我」の正体が「記憶」だということを再確認した映画を観た。
2024年 映画#165
『君への誓い』(原題: The Vow)という2012年のアメリカ映画。写真のチャニング・テイタムとレイチェル・マクアダムスが夫婦役で共演している。10年以上前の作品なので二人とも若い。この頃のレイチェル・マクアダムスは本当にキュートだよねぇ。
先ほども書いたように、この映画は実話を元にした作品。もちろん映画用に脚色されているけれど、起きた出来事は本当にあったそう。レオとペイジの夫婦は心から愛し合っていた。レオは音楽の録音スタジオを経営し、ペイジは若手の彫刻家として活躍していた。
ところがある夜、二人が乗った車は追突される。命は助かったけれど、頭を強打したペイジは記憶喪失になってしまった。それも困ったことに、夫のレオと出会う前の記憶はあるけれど、それ以降の記憶が完全に飛んでいた。
つまり病室にいるレオが他人にしか思えない。ペイジの記憶にあるのは、別の男性と婚約している自分。だから彼女が愛していると感じるのはレオではなく、その元婚約者だった。
そのうえペイジはレオの知っている彼女ではなかった。ある事件があって両親と妹とは疎遠になっていた。でも事故後のペイジにその記憶がない。だからレオと暮らすより、縁を切っていたはずの両親の元へ戻ろうとする。ここから切ないシーンがいくつも続く。
幸せだった二人の結婚生活を思い出させようとして、レオは必死になってペイジに働きかけた。でも元婚約者を見つめるペイジの熱い瞳が、自分に向けられることはない。どうしても他人という関係を崩すことができない。
最終的にレオが下した結論は、ペイジの父親に説得されて離婚することだった。両親にすれば失ったはずの娘が戻ってきたし、彼女との確執の原因になった出来事の記憶もペイジが失っているので助かる。ところが当時に絶縁したはずの親友に出会ったことで、ペイジは自分の両親に何があったかを知ってしまう。
両親が真実を隠していたことにショックを受ける。そしてペイジは本当の自分を取り戻すために実家を出た。それから半年ほど経過して、離婚したレオのところにペイジがやってくる。ペイジの記憶は戻っていないけれど、二人はもう一度一緒に人生を歩こうとした。このシーンで映画は終わる。
エンドロールで、実話の二人の写真が出てくる。ペイジの記憶が戻ることはなかった。でもペイジとレオは再婚して、二人の子供が生まれたそう。4人で幸せそうにしている写真を見て本当に嬉しくなった。
人間は記憶を失うだけで人格まで変わってしまう。やはり「自我」というのは記憶でしかないということ。だったら本当の自分とは? それを見つけ出すのが人生の目的なんだと思う。
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