音楽は失意の人を再起させる
79歳のエリック・クラプトンが今月の4日ニューアルバムをリリースした。いやぁ、まだまだ現役なんて本当にすごい。今そのアルバムの2回目を聴きながらブログを書いている。彼の音楽の基本はブルース。このアルバムもブルースロックの匂いが強い。
もちろんそれだけでなくエリック・クラプトンはバラード曲も多く知られている。そしてギタリストとして、ボクが敬愛するジェフ・ベックと並んで崇拝している人物でもある。そんな彼の魅力が全て詰まった素晴らしいアルバムだと思う。
なかでもうれしいのは、先ほど書いたジェフ・ベックとのコラボ曲が収録されていること。ジェフは残念ながら昨年の1月に78歳で亡くなってしまった。今でもボクは突然寂しい気持ちになる。でもエリック・クラプトンやポール・マッカートニーの元気な姿を見ていると、その寂しさも忘れることができる。
ニューアルバムは『MEANWHILE』というタイトル。コラボ曲や過去のシングルだけでなく6曲の新曲も含まれている。まずはその新曲のミュージックビデオをリンクしておこう。『One Woman』というタイトル。
そしてもう1曲、ジェフ・ベックとのコラボ曲もリンクを貼っておこう。『Moon River』という有名な曲のカヴァーで、もちろんジェフは歌わないのでギターを弾いている。あっ、ちょうど今その曲がイヤホンから聞こえてきた。なんという偶然!
この曲を聴いて、ギターのフレーズだけでジェフが弾いているのか、あるいはエリックが弾いているのか聞き分けられたら、あなたは立派なロックギタリスト・オタク。もちろんボクは1発でわかったよ!
エリック・クラプトンといえば、若い頃に麻薬中毒で苦しんでいる時期があった。さらに1991年には4歳の息子がビルの53階から転落死するという悲劇を経験している。何度も音楽をやめようとしたけれど、その度に立ち上がってきた。おそらく音楽には失意の人を再び立ち上がらせるパワーがあるんだと思う。
同じく音楽で戦後の日本を元気にさせた女性の自叙伝を読んだ。
2024年 読書#85
『笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝説』笠置シヅ子 著という本。
現在放送中の『おむすび』の2つ前になるNHK朝ドラの『ブギウギ』に感動して読んだ本。彼女の生い立ちから一人娘を産むまでの出来事が書かれている。この自伝を読んでわかったのは、あのドラマが史実を強く意識して作られていたこと。
ドラマの福来スズ子は、まさに笠置シヅ子だった。そして彼女が産んだ娘の父親であるドラマの村山愛助は、まさに吉本エイスケだった。笠置シヅ子さんの人生を見ていると、普通ならとっくに心が折れてしまうような出来事ばかり。なのに彼女は全力で生きてきた。
もちろん彼女の人間的な強さや明るさがそうさせたのだろう。でもそれを支えていたのは、やはり音楽だったと思う。どれだけ倒れても、打ちのめされても、彼女はスタージに立って歌った。だから戦後の日本を元気にできたのだろう。
そんな彼女の実像が、ドラマではありのままに表現されていたことがわかった。今さらながら脚本の素晴らしさと、スズ子を演じた趣里さんの演技力を賞賛したいと思う。
やっぱり音楽っていいよね!
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