世界を巡るテメレアの旅は続く
今日の神戸は穏やかな晴天。でもボクの心は相変わらず暗いトンネルの中。できるだけ元気に振る舞っているけれど、心身ともに明るい気持ちになれない。しばらくはこんな日が続くだろう。ということで今日も読書記録だけ残しておこう。
2024年 読書#96
『テメレア戦記 Ⅵ 大海蛇の舌』ナオミ・ノヴァク著という小説。全巻で9作品あるシリーズの第6弾。今年の夏に第8巻の邦訳本が刊行されている。最終巻が出るまでにはこの第8巻まで追いついておこうと思って順に読破している。
物語の時代は19世紀の初頭で、ナポレオンがヨーロッパ諸国への侵略を行っていた頃。史実を盛り込みながらも、ドラゴンが普通に存在しているというパラレルワールドが描かれている。この世界にはドラゴンに騎乗した空軍が存在していた。
物語の主人公はテメレアというドラゴンと、テメレアのキャプテンであるイギリス空軍兵士のローレンス。世界中のドラゴンを伝染病から守るために決行した二人の行動は、結果としてイギリスへの反逆罪という判決になった。本来ならローレンスは死罪となる。
でも前回にイギリスイへ上陸したナポレオン軍をフランスへ追い返した貢献により、ローレンスたちはイギリスの植民地であるオーストラリアでの流罪となった。この第6巻はオーストラリアでの二人の冒険が描かれている。
興味深いのは史実を取り入れていること。この当時の植民地の総督はブライという人物。ところがマッカーサーという軍人が『ラム酒の反乱』という暴動を起こす。どちらも実在の人物。この事件にテメレアとローレンスも巻き込まれるという内容。
さらに中国との密貿易が明らかになった。副タイトルにある大海蛇を使った貿易で、イギリスの植民地としての権利を阻害するものだった。ところがテメレアの祖国は中国。それゆえローレンスたちは様々な葛藤を抱えることになる。先住民族であるアボリジニたちとの関係も描かれていて、当時の植民地問題が効果的に物語に取り込まれていた。
最終的にはオーストラリアに残されたテメレアとローレンス。でもこれまでの流れからすると、再び別の国へと向かうことになるのだろう。第7巻を読むのが楽しみで仕方ない。すっかりこの二人の大ファンになってしまったからね。
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