名作の要因はバズること
音楽や絵画を含めて、名作と呼ばれるものは数多くある。でも芸術というのは基本的に個人の嗜好に左右される。特定のレベルを超えた作品が複数あっても、その後の評価で名作とされるものとそうでないものに分かれてしまう。その運命を分ける要因とは、現代風に言えば『バズること』ではないだろうか?
レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『モナ・リザ』が有名になったのはルーヴル美術館の元職員が盗んだのが原因
誰もが知っている名作の『モナ・リザ』について書かれた記事。この作品はレオナルド・ダ・ヴィンチがイタリアで描き、彼がフランスに持ち込んで1516年にフランソワ1世が購入している。そして最終的にルーヴル美術館に展示されることになった。
そういう意味では優れた作品のレベルに達していたのは事実。ところが20世紀初頭まではさほど人気のある絵画ではなかったそう。世間的にはほぼ知られていない作品だった。ところが1911年に盗難事件が起きた。
ルーヴル美術館の元職員が『モナ・リザ』に惚れ込み、堂々と盗み出すことに成功した。その顛末に関してはリンク先の記事に書かれている。ある意味大胆過ぎて誰も盗難を見抜けなかった。当時のセキュリティにも問題があったのは事実。
結局は2年間も行方不明のままだった。ところが犯人が『モナ・リザ』をイタリアに戻すという名目で売却しようとした。そこで囮捜査のようなもので逮捕されることになった。『モナ・リザ』も無事にルーヴル美術館に戻された。
盗難が分かった時、美術雑誌がその事実を書いたことで世間の注目を集めた。『モナ・リザ』があった場所には絵の額を固定していた釘が残されているだけ。なんとその釘を見ようとする人が何千人も訪れたそう。スキャンダルはバズるということ。
そして『モナ・リザ』が1914年にルーヴル美術館に戻ってきたとき、2日間で12万人の人が訪れたそう。完全にバズった状態で、その後は名作として後世に語り継がれていくことになった。もしこの盗難がなければ、現在ほど『モナ・リザ』が注目されることはなかったかもしれない。
芸術作品というものはバズることで認知される。そして評論家たちがその作品を『後付け』でもっともらしく評価する。バズるまではスルーしていたのにね。もちろん『モナ・リザ』が評価に値するレベルだったのは事実。だとしても事件後の高評価に関しては取ってつけた感が拭えない。
ボクが好きなゴッホだって、生前は全く絵が売れていない。彼の死後になって作品が『バズる』ことで世界的に認知された。要するに芸術作品は他人の評価を気にすることなく、自分が好きな絵画や音楽を楽しめばいいということ。名作の価値があるのに、バズらないことで埋もれている作品は山ほどあるような気がするなぁ。
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