正直に言って退屈だった
ミューナの看病疲れが出ているのか、彼が旅立ってから体調がイマイチ。看病による極端な緊張状態が続いていたところ、ミューナの臨終によって一気に緊張が緩和されたことで心身のバランスが崩れてしまったのだろう。これがいわゆるペットロスなんだろうなぁ。
ただ以前にも書いたように、『後悔』が少ない分軽傷ですんでいると思う。とりあえず見た目は普通に生きているしね。でも軽傷と言ってもかなり辛いのは事実。時間をかけて緩和させていくしかないのだろう。
さて、本屋大賞にノミネートされた小説を読んだ。でも正直に言って、ボクには少し退屈な作品だった。これはクイズ好きの人でないと楽しめないかも。
2024年 読書#101
『君のクイズ』小川哲 著という小説。早押しクイズ大会の決勝戦で不可解な出来事が起きた。最初にその内容が読者に提示され、その理由を明かしていくというミステリ的な小説になっている。この設定はなかなか興味深く、ボクも最初は惹きつけられた。
主人公は三島玲央という男性。高校生からクイズ一筋で、様々な大会で勝利してきた。『Q-1グランプリ』という早押しクイズ最高峰のテレビ番組で決勝戦まで残った。決勝戦の相手は驚異的な記憶力で知られている本庄絆というテレビタレント。
二人の決勝戦は完璧に互角。そしてどちらかが次に1問正解すれば優勝が決まり、1000万円の賞金を手にすることができる。そこで次の問題がアナウンサーによって読まれようとした。ところがアナウンサーが言葉を発する前に、本庄翼がボタンを押した。そして答えた。
「ママ、クリーニング小田原よ」
なんとこの意味不明で不可解な答えが正解だった。山形県のローカルクリーニング店のCMで、地元の人間でないと知らない内容。だとしてもアナウンサーは全く問題を口にしていない。ゼロ文字回答で本庄が正解したことで生放送のスタジオは騒然となった。
本庄を支持する人間は「彼は天才だから」ということでこの結果を賞賛した。でもクイズファンたちにとっては納得いかない。さらに主人公の三島だけでなく、決勝戦まで戦ってきた他の出場者たちも不満の声をあげた。「これはヤラセでないか?」と。
ということで主人公の三島の視点で物語が進み、やがて本庄がこの答えを出した真の理由が明かされることになる。設定としては面白い。でもクイズにあまり興味が持てないボクとしては退屈な展開だったし。その事実もあっと驚くようなものではなかった。
でもクイズ好きの人なら楽しめるかも。ということでネタバレはしないので、興味のある人は謎解きにトライしてみるといいかも。人間心理の奥深さを感じられる内容になっている。
ブログの更新はFacebookページとX、並びにThreadsで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする