京都で生まれ育った利点
12月に入ったけれど、今日は気温が17度まで上がって小春日和の1日だった。XやInstagramでアップしたように、神戸の紅葉も遅まきながらいよいよ見頃になってきた。今週末でも十分に楽しめると思う。
でも週末は寒波がやってきそうなので、平日に動ける人はここ数日がベストかも。明日は今日よりも暖かくなる予報なので、紅葉見物にはもってこいの気候だと思う。紅葉が終わればいよいよ本格的な冬がやってくるなぁ。
さて、ボクも妻も、そして先日旅立ったミューナも生まれたのは京都市。ミューナは京都市北区の原谷という金閣寺近くの山手。ボクが勤めていた印刷会社の同僚が通っていたスポーツジムがあって、そこに保護されていた野良猫だった。
ボクが京都で生まれ育ってラッキーだと思っていることがある。それは土地勘。学校で日本史を勉強するようになると、必然的に京都の地名が多出する。なんせ長期間にわたって朝廷があった場所なので当然と言えば当然。
他府県の人たちに比べると、京都の人間はそうした歴史上の地名に関してアドバンテージがあると思う。なぜなら地名は現代でもさほど変わっていないので、その場所をすぐに思い出すことができるから。歴史的事実に関するイメージを強化することにおいて、具体的な場所を知っているのはかなり有利だと思う。
これは時代小説を読んでいても同じ。江戸を舞台にした小説なら土地勘はないけれど、京都が舞台となる物語だと一気にリアルなイメージが喚起される。ある小説を読んでいてそのことを改めて感じた。
2024年 読書#103
『陰陽師 飛天ノ巻』夢枕獏 著という小説。安倍晴明に興味を持ったことで、有名な『陰陽師シリーズ』の読破を目指している。ようやくこの作品で第2弾となる。今回も短編集として構成されていた。
『天邪鬼』
『下衆法師』
『陀羅尼仙』
『露と答へて』
『鬼小町』
『桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと』
『源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと』
というラインナップ。ストーリーの詳細は割愛するけれど、今回も鬼、妖、幽霊等が次から次に登場した。安倍晴明と源博雅は、まるでシャーロックホームズとワトソンのような名コンビ。博雅がいることで、晴明の力がよりパワーアップしている気がする。
京都が舞台なので、晴明の自宅に近い一条戻り橋はもちろん、上賀茂神社、神泉苑等の場所や地名がリアルに思い浮かぶ。もちろん今と平安時代とは雰囲気が違うだろうけれど、イメージを喚起することに関して助けになっている。今回は優れが能力を持つ晴明でも助けられない霊が登場した。
それは老婆の幽霊と化した小野小町と、彼女に取り憑いて怨霊化している深草少将の霊。この二人の逸話を知っている人なら想像ができると思う。ちなみにボクが通っていた高校の通学途中に小野小町ゆかりの随心院があった。二人の恋物語はこの随心院にまつわるもの。
高校の時は自転車で通過するだけのお寺だったけれど、今から思うとそれが日常になっていたのはありがたい。京都市内からあの場所までの距離感が実感できるから。深草少将が100回近くも随心院へ通ったと想像すると、その想いの強さがリアルにわかる。そりゃ思いが叶わなければ怨霊化するよなぁ。
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