サタン推しになる『失楽園』
最近になってTikTokでとあるバンドを見つけた。この数週間そのバンドにハマっていて、今も昨年にリリースされたデビューアルバムを聴きながらブログを書いている。
そのバンドはPacificaという女性のデュオグループ。英語の曲でイギリスの雰囲気がしていたけれど、なんとアルゼンチンのバンドとのこと。Wet Legというボクの大好きなイギリスの女性デュオバンドのアルゼンチン版という雰囲気。
ポップなんだけれどしっかりロックしている。耳障りのいい軽快な演奏と、男性二人を交えた4人のリラックスした雰囲気に癒される。最近にはライブ演奏のアルバムもリリースしている。
世界的な大ヒット曲が出てブレイクするのを願い、デビューシングル曲をリンクしておこう。せっかくなのでライブヴァージョンの映像にしよう。曲は『With Or Without You』というタイトル。
さて、以前から気になっていた古典作品を読み始めている。まさかこんなにワクワクする物語だと思わなかった。
2024年 読書#105
『失楽園』上巻 ジョン・ミルトン著という本。ミルトンは17世紀の詩人で、この作品も叙事詩として創作されている。図書館で借りた本は1981年に出版されたものでかなりボロボロ。でも読み始めてみると、叙事詩の形式に慣れたらワクワクするほど面白い。
内容は旧約聖書の創世記を叙事詩形式で物語にしたもの。アダムとイブがエデンの園を追われるいきさつを語った内容。聖書の裏話的な内容で、その世界観が美しい文章を通して描かれている。
冒頭ではいきなりサタンが登場する。天国との戦いに敗れて地獄に落とされた元天使たちの苦悩から始まる。やがて地獄から脱出する方法を見つけ、神が新たに人間という生き物を創造したことを知る。復讐に燃えるサタンは、その人間を地獄に誘い込むことを決意する。
この上巻ではサタンたちの惨状から始まり、エデンの園を見つけて侵入に成功する。それを知った天使たちが、アダムに警戒するよう呼びかける。そしてなぜ大天使だったルシファーがサタンとして地獄に堕ちたかをアダムに語り聞かせるまでが上巻。
宗教的に難しいのかもしれないけれど、この物語を映画化したらめちゃ面白いと思う。とにかくサタンに惚れてしまう。ミルトンにそんな意思はないだろうけれど、神や天使、そしてキリストの存在がどうしてもパワハラ的に見えてしまう。
力で抑えつけて地獄に落とすなんて、神の所業とは思えないよなぁ(笑) サタンが反乱を起こした時、天使の3分の1が参加している。それほど神は人望がなかったのでは? 物語的にはそう思ってしまう。
エデンの園の場所に関しても、大天使のウリエルがサタンに騙されて簡単に教えた。そのウリエルは自分の脇が甘いくせに、サタンを見つけたら悪者扱いして追い回す。なんか嫌なやつだった。
天使がアダムに語る過去に天国で起きた戦争内容は凄まじい。ある意味互角の戦いで読み応えがあった。でもキリストの登場であっさりと決着がついてサタンたちは地獄へ閉じ込められている。それはないやろう。そりゃ復讐しようと思うわな。
ということで下巻を楽しみにしている。すっかりサタン推しのボクなので、地獄の軍団を応援しながら読もうと思っている。
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