人質司法の実態に驚愕
今日は2025年になって初めての雨。おかげで真冬にしては暖かい朝だった。でも太陽光が入らない分、日中は肌寒い1日だったなぁ。昨日のようにあちこち移動する日が今日のような天気だったら大変。昨日は晴れて本当に良かった。
今日は今年初めての燃えるゴミの日で、ようやく日常感が戻ってきた。明日外出すれば、さらにそう感じるだろう。昨日は歩き回ってクタクタになったけれど、今日は自宅でゆっくりできたので少しは疲れが取れたかな。夢日記に記録している出来事は、相変わらず奇想天外だけれどね。
さて、今年1冊目の読書は時間を忘れてページをくった。日本の検察がどれほど傲慢で悪質かをリアルに体感できるドキュメント作品だった。
2025年 読書#1
『負けへんで! 東証一部上場企業社長VS地検特捜部』山岸忍 著という本。
著者の山岸さんは東証一部上場であるプレサンスコーポレーションという不動産会社の創業者。2020年には全国のマンション供給戸数のトップを記録しているという会社。
その会社の社長である山岸さんは2019年12月16日、大阪地検特捜部の任意捜査で取り調べに応じていた。ところがいきなり逮捕状が出て、山岸さんは拘置所に収監されてしまった。そこから山岸さんが完全無罪の判決を得るまで248日間もかかっている。
事件の始まりはプレサンスコーポレーションが大阪のある学校法人の土地を買取り、分譲マンションを販売することになったこと。しかし生徒がいる学校法人なので、移転先が見つかるまでは土地を売れない。といっても移転先を購入する資金は学校法人にはない。
そこで繋ぎ融資的な措置として、山岸さん個人から学校法人に18億円を貸し付けて、正式な売買契約で土地代を払った時に18億円lの返済をすることになっていた。
ところが様々な事情で、18億円の貸付に別の企業が入ることになった。そのまま学校法人に資金が提供されたら問題ないけれど、その仲介で悪事を働く人間がいた。学校法人の理事長となるため、ある人物によって18億円が当時の理事長への買収に使われてしまった。
山岸さんはそのことを知らない。最終的に学校法人との契約が成立して、貸し付けた18億円も返済されたから。でも買収事件が発覚したことで、その返済金は学校法人の資金を山岸さんが横領したとみなされてしまった。
その買収に関わった部下や関係企業は、18億円が買収に使われるのを山岸さんが知っていたと証言したから。つまり検察は山岸さんが買収の黒幕だと考えた。
この本を読めばわかるけれど、これは完全な冤罪。山岸さんが関わったと証言した部下や関係者は、逮捕された直後は山岸さんは何も知らないと証言していた。ところが検察は事件のシナリオを勝手に書いている。それに沿った証言を得るためならどんな手でも使う。これが問題となっている『人質司法』というもの。
容疑者が容疑を否認したり黙秘をすると、拘置所での勾留期間を長期間にすることで精神的に追い詰める。容疑者が釈放申請しても裁判所へ嘘八百の文章を作成して検察は妨害する。結果として追い詰められた山岸さんの部下や関係会社の人は、嘘の証言に署名することになった。そうすると釈放される。
この人質司法は山岸さんに対しても行われた。素直に罪を認めたら執行猶予がつくだろうという雰囲気。でも身に覚えのない山岸さんは、自分の主張を変えなかった。その結果12月に逮捕されて、拘置所から出るのは翌年の夏になった。マジで発狂しそうな状態だったそう。
最終的に弁護団の努力によって、検察の人質司法が明らかになっている。なぜならその前年から取り調べが録画されるようになったから。とにかく無罪判決が出て、検察が控訴断念をするまでの過程に興奮した。
無罪判決が出たのは、山岸さんに資産があって優秀な弁護団を結成できたから。普通の人なら絶対に無理。検察が起訴した刑事事件のほぼ100パーセントが有罪となるのは、この人質司法があるからだと思う。本当に恐ろしい。
山岸さんはこうした検察の体質を改善するため、国に対して訴訟を起こされている。その裁判で法務省が否定している人質司法が明らかになることを心から望んでいる。とにかく勉強になるし、最高に興奮する書籍なのでかなりオススメだよ!
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